ネタバレにならない程度のレビューを添えて下さると嬉しいです。
なお、宮部みゆき、北村薫両氏の作品はおおよそ既読です。クリスティ、ドイル、マクラウド、アシモフ、島田荘司、赤川次郎、二階堂黎人、岡嶋二人、森博嗣、我孫子武丸、若竹七海諸氏の作品がそれに準じますのでなるべくここに上げた以外の方の作品でお願いしたいのですが、100%読んでいる訳ではないので、これは是非というものがありましたらお願い致します。
シャーロック・ホームズの事件簿―シャーロック・ホームズ全集〈9〉
シャーロック・ホームズシリーズの短編「ライオンのたてがみ」
まぁ、露骨に犯人のダミーみたいな人が出てくるんですが…。という感じです。
ワトソンの語りではなく、ホームズの語りというのもレアです。
ああっ、これは、すみません、既読でした……
けどちょっと懐かしいですね。
レア度は仰る通り高いかと思います。
http://www.suntory.co.jp/whisky/museum/enter/mystery/novel/501.h...
WHISKY MUSEUM ウイスキーと文化 ウイスキーとミステリーの世界 ポップ編 『大はずれ殺人事件』
クレイグ・ライスのミステリから『眠りをむさぼりすぎた男』と『大はずれ殺人事件』を持ってきました。
前者では、ある人物がとても怪しげに見えるのですが実は……という側面を持っています。ネタバレにならないように書くのは難しいのですが、この作品のテーマとして“善意”“相手への気遣い”ということがあると思います。最初のうちは暗い印象を抱きながら読んでいったところが、読み終えてみれば……という味わいも良くて印象に残っている作品。bk1の書評に拙文が載っているので、よかったら読んでみてください。
後者『大はずれ殺人事件』にも、一見怪しげな人物が出てきます。しかしその人物は……というところと、その人物のキャラがなかなか印象的でした。bk1ではハヤカワ・ミステリ文庫本のISBNが表示されていなかったので、参考URLの欄に、この作品を紹介したサイトを挙げておきました。私が言いたかった“ある人物”の名前が、その内容紹介で出てくるので、本筋とは関係ありませんが、もしまっさらな気持ちで作品を読んでみたいということなら、そこは見ないほうがいいかもしれません。作品自体のネタバレはされていないので、その点は大丈夫なんですが。
もうひとつだけ。加納朋子さんの『ささら さや』は如何でしょう。連作短編集の話の途中から出てくる人間が「主人公側の味方だった」ということで、この作品を挙げてみました。愛する夫を失った気持ちから抜け出せずにいる“さや”の背中をぽんと叩いて後押しするような、そういう人たちが出てくる。主人公サイドにあるその人たちのキャラと、彼らが出てくることによって俄然話が生き生きとしてくるところが良かった。登場人物に託した作者の意図が前面に出過ぎているところ気がするので、読む人によって好き嫌いがはっきり分かれる作品かもしれません。私にとっては、主人公の“さや”よりも、むしろ彼女の周囲の人たちのキャラが魅力的だと思ったミステリでした。
沢山の作品のご紹介、ありがとうございます。
それと、私が推理小説のレビューの募集としてはかなりネタバレラインが際どい条件でこの質問を出した意図の一つには、“善意”“相手への気遣い”が現れているミステリが読んでみたいという思いがありましたのでほんとうにぴったりです。
あえて誰かの為に汚名を被っていたり、悪意を持っていた人が改心したりする物語が読みたいのですが、道徳の教科書めいてしまうのはイヤだなあ、ということで……
書評のご紹介もありがとうございました。後の楽しみの為に、今はさらっと斜め読みに留めておきます。
つい先日読了しましたが、横溝正史の「八つ墓村」です。てっきりこいつが犯人だろうと思った某医師が被害者となってしまい、じゃあこの人か?と思った某僧が実は主人公の◎◎で、さらに完全に見方だと思われた某女史が○○だったとは!というどんでん返しを最後に味わいました。(書評では「犯人はすぐわかる」と書かれていますが、わたしにはわからなかった・・・)
ああ! これは質問文には入れなかった私のミスですが、既読なのですよ……
それに、「意外な人物が犯人ではなかった」という要素が何度も何度も繰り返されるパターンのミステリなので、その分、インパクトが薄れて「意外な人物が犯人だった」というラストよりもストーリー展開の上で重要とは、ちょっと言えない気がします。私見なのですが、ごめんなさい。
質問の条件さえ外せば、すごく面白いミステリだと思っています。
死体が多すぎる ―修道士カドフェルシリーズ(2) (光文社文庫)
エリス・ピーターズの「修道士カドフェル」シリーズの第2作『死体が多すぎる』。
主人公のブラザー・カドフェルが、“生まれながらの陰謀者”と言ったある人物がこの作品に初登場します。ここではカドフェルと対決する(かのように話が進んでいく)この人物のキャラがとてもいい。というか、このシリーズにはカドフェルを始めとして魅力的な人物が大勢出てきます。できれば、第1作の『聖女の遺骨求む』から順に読んでいかれることをお薦めしたいシリーズです。
もうひとつ思い出したのは、シャーロット・アームストロングの『毒薬の小壜』。登場人物たちの“善意”をメインテーマにしたサスペンス作品です。自殺を決意した主人公が“毒薬の小壜”を入手、しかしそれを紛失してしまう。失われた“毒薬の小壜”は、どこに行ってしまったのか。それを追いかけて行く話なんですが、何だかしみじみさせられてしまう、ほろりとさせられてしまう作品の風味が素敵でした。小笠原豊樹さんの訳で、ハヤカワ・ミステリ文庫から出ています。
すみません、既読なのですが「この作品はもしかして上がってくるんじゃないかなー」と予想していた本なのでちょっと嬉しいです(笑)
エリス・ピーターズ作品は「たくさん読んだ」とは自負出来なかったので質問文に上げた作家さんリストからは外していましたが、修道士カドフェル・シリーズは大好きですし、ここであげられている人物も条件に合致していてとても魅力的だと思います。
アームストロングの方は未読ですが、雰囲気がとても良さそうですね。
読んでみます、ありがとうございます。
罪深き誘惑のマンボ
行方不明の元恋人が消息を絶ったのは黒人差別で悪評高い田舎町。
主人公二人も癖があるが、町の住人は更に一癖も二癖も。
更に主人公のうち一人は黒人な上にマッチョゲイ。
でもセンシティブな部分はぜーんぜんなし。むしろ下品なジョークとノリが一杯です。
でも根底にあるのが閉鎖的な社会での差別なので、題材は結構重いもの。
最初は典型的な善悪・犯人探しですが、中盤を越すと、揺らぎ始め、最後には敵・味方、という単純な概念が揺らいできます。(なにしろ元が社会問題ですからね)
人間の描き方に重点を置いた切り口が面白い。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4041412021/hatena-q-22
Amazon.co.jp: 湯殿山麓呪い村〈上〉 (角川文庫―リバイバルコレクション): 山村 正夫: 本
湯殿山麓呪い村
湯殿山に伝わる即身仏。その中に望まぬままにミイラにされた罪人がいた。
連続殺人はミイラの呪い?
…犯人もトリックも意外!ですが、純粋な推理と考えるとがっかり系かも(^^;)
若い時分読んだときは結構感慨深かったです。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150402450/hatena-q-22
Amazon.co.jp: 堕ちる天使 (ハヤカワ文庫NV): 佐和 誠, ウィリアム ヒョーツバーグ: 本
堕ちる天使
意外な犯人と言われればこれを外すわけにはいかない!
…けど、推理小説じゃなくってオカルトホラーですね(^^;)反則。
「罪深き〜」の方は、レビューを読んでいて「なるほど、こういうのもありか」と思えるのですが、後の2作品は「???」です……
たいていの推理小説は意外な人物が犯人であることが面白さのポイントだと思うので、質問文ではそれが「犯人ではない」小説の推薦をお願いしました。
ミステリというものの性質上、ネタバレを控えたレビューを書いていただくことも難しいと思うのですが、些かも条件の点に触れられていないと、ちょっと小説の判断に苦しんでしまいます。
この条件に合致していて、ミステリ的要素がある程度高ければ、ハーレクインでも児童文学でもオカルトホラーでも反則とはしませんよー。
意外な人物が「犯人ではなかった」あるいは「主人公側の味方だった」ことがストーリー展開の上で重要だったり面白かったりしたもの>まさにこの本のことだと思います。以下アマゾンより・・・美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。三番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。精緻にして大胆な長編ミステリの傑作。
最初は「わー、猟期物とかスプラッタは苦手かも……」と思って引いてしまったんですが、ストーリー主体はちょっと違うようなのですね。
他のレビューをちょっと調べてみたら映画化の話題があって吃驚しました。
面白さは折り紙付きみたいです。ご紹介有り難うございます!
ハーレクイン要素が主体になっているのでなければ、むしろ恋愛要素はストーリーを盛り上げてくれるのでとってもOKです!
劇中劇みたいな構造になっているところも面白そう……食指が動きます。