すでに、有料音楽配信サイトが立ち上がっているようですが、SNS方式のためか、ちっとも周りで話題になりません。
本当に良いサイトなら招待してもらいたいと思っているのですが、実情が今ひとつわからないです。
http://www.hatena.ne.jp/1095748300
recommuniという音楽のSNSがありますが、話題になっている割には、まだ使っている人にあったことがありません。 体験談やスクリーンショットなどがあれば教えてください。 .. - 人力検索はてな
去年の9月21日にrecommuniについての質問があり、そのときの回答では、回答者のみなさんは前途におおいに疑問、という感じでした。巨大掲示板の方で、いまどんな書き込みがあるのかチェックしていないですが、ブロガーたちが提言をくりかえす、ということが現状を物語っているのではないでしょうか?
http://find.2ch.net/?BBS=ALL&TYPE=TITLE&STR=recommuni&COUNT=10
2ch検索: [recommuni]
ぶしょうせずに検索してみましたが、なんだかどの板読んでも、ぱっとしないような・・・・
もちろん、これがすべてではないですが、有料の音楽配信事業というのは日本の市場ではうまくいかないし、音楽産業の衰退を救う魔法の杖にはなりそうもない、と思います。
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0410/13/news031.html
ITmediaモバイル:「携帯はiPodを超える」〜auが狙う音楽配信ビジネス
まず、「着うた」についてですが、ヘビーな音楽ファンの間では音楽配信とは認識されていないのではないでしょうか?上のURLに着うたのデータがありますが、AACで48Kbpsという音質は音楽を”聴く”という点からはやはり不満ですし、miniSDカード128MBで60曲程度という持ち運び可能な曲数もあまりに少なすぎると思います。
「着うた」はストラップや待ち受け画面のような携帯のアクセサリーであって本格的な音楽配信とはなり得ない、というのが音楽ファンの認識なのではないでしょうか?
http://whatsmyscene.blogspot.com/2004/10/blog-post_14.html
what's my scene? ver.6.1
ただ、検索してみると「着うた」を評価?しているBlogもありますね。
確かに音楽ファンとしてみれば不十分な着うたでも、ふつうの人からすると便利なのかもしれません。ブロガーはわざわざ音楽配信について自分の意見を書くくらいだからマニアが多い、というのが意外と一番の理由かもしれません。
http://homepage3.nifty.com/stop-rev-crlaw/
海外盤CD輸入禁止に反対する
あと、去年の「レコード輸入権」の問題も大きいと思います。Blogなどを中心に反対運動が盛り上がったこの問題ですが、その中で「iTMSをはじめとする自由なアメリカ」、「輸入盤すらレコード会社に規制される日本」という図式ができあがったのだと思います。「日本のレコード会社が全部潰れたほうが、日本の音楽シーンはよくなる」って思っている人はけっこういると思います。
このあたりの呼びかけも参考になるかと思います。
なるほど。私は、「着うたフル」は新圧縮技術のおかげで48Kbpsといった数字に比して音質良好ですし、MP3程度で満足できる人がバカにするような音ではないと思います。でもどうなんでしょうね、本格的な音楽配信ではないとしてもですよ、市場規模は iTMS と同じなんです。アメリカが本当に「進んでいる」のかなあ、と思います。
参考文献必読、としているので私の日記もご覧いただいていると思いますが、アメリカの状況は、いよいよ末期的になってきています。音楽配信そのものでは、誰も儲かっていないんですね。ネットビジネスの「いつものパターン」にはまってしまっている。不自由でちゃちなコンテンツにもきちんとお金を払う、という日本の市場は、私はむしろ健全だと思っているのです。米国式消費者原理主義でいいのか? そうでもないだろう、と。
編集者なしで本が完成しないように、レコード会社なしで音楽だって出てこないだろう、という考えがなぜ消費者の常識にならないのか、私にはよくわかりません。
何はともあれ、検索お疲れ様でした。大筋では、まあそんなところかな、という感じではありますね。ある意味、模範解答。
この質問はしばらく閉めませんので、いろいろな切り口から迫る回答が集まるといいなと思ってます。でも難しいかな。
http://d.hatena.ne.jp/cyano/20050201
音楽配信の二項対立 - 暁の二項対立
折角書いたのだが閉めるまでトラックバックが反映されない&しばらく閉めないとの事なので議論の末席に加わ得ていただくべくここにも一応書かせていただきます。検索結果中心ではないのでポイント不要。
要約すると「着うた」モデルが成立するのはそれがニッチだからで主流にはなりえない。
故に本件は自由競争を是とするか非とするかの問題であると考えます。
たしかにレコード会社にも役割はありそのコストは負担されるべきだが、それと自由競争の是非は別問題ではあるまいか。コスト度外視の過当競争は忌避されるべきだが、それは結局「値段ぐらいしか比べるところが無い」ことの裏返しに過ぎないわけで、「自由競争やめようよ」ではなく「よりよい音楽体験を提供しよう」という提案がなされるべきだと愚考する次第です
リンク先は、たいへん優れた記事だと考えます。
私が賛同するか否かは別として、多くの方に大きな説得力を持つ言説でしょう。
「コスト度外視の過当競争は忌避されるべき」なのはダンピングによる市場制圧を禁止する、といった観点からも「自由競争」の前提として必要なことなので、ちょっと話が違うだろうと思います。私が考えているのは、米国の音楽配信が収支トントンの利益ゼロの価格(最低の価格)まで値崩れしている状況であって、これはコストを度外視した話ではありません。
もちろん、この状況下にあっても、会社に利益が出ていないだけで雇用は確保されているわけですから、社会的に無益な状況ではありません。しかし法人税は見込めないわけですし、もう少し高い値段で止まっているのが理想ではなかったか。音楽配信自体ではなく iPod で利益を得るビジネスモデルのアップルが、よりによって最低価格で商売を始めたのが失敗の元凶だったと私は思います。
他で儲けるから、本体は儲けなしでよい、という発想のビジネスはネット関係に多くあり、これによって多方面に価格破壊が起きたわけですが、たいてい「価格破壊で市場縮小」の結果を招いているように見えます。私はこれも一種の市場の失敗とみなしているわけです。
> 「よりよい音楽体験を提供しよう」という提案がなされるべき
とはいっても、その発想の先にはやはり、ニッチな高額商品市場しかないと思います。メインの消費層は、多くを望まず値下げに期待する集団でしょうから。
人命尊重・安全確保の名のもとに、事実上の規制強化による商品価格の高止まり状況が続く自動車業界をモデルケースにしてほしい。なぜ日本市場に安い中国車やロシア車がどんどん入ってこないのか、ということ。
音楽業界にたくさんお金が落ちることが、文化振興に必要なんだ、という文化庁の意見に私は賛成です。安全確保と比較して、著作権・著作隣接権というのは消費者に受けが悪いようです(まあ、直接的な利益がないので当然ではありますけれども)。でも、目先のことを優先したために壊滅的な状況となっている食物自給率という事例があることを無視し続けていいのか、と思うのです。
……という私の意見自体について、以降の回答者がとくに気にする必要はありません。あくまでも参考文書に示されたいくつかの前提条件をもとに、回答を組み立てていただければ結構です。
http://response.jp/issue/2004/1126/article65921_1.html
【神尾寿のアンプラグドWeek特別編】『iPod』と『着うたフル』の本質的な違い | レスポンス自動車ニュース(Response.jp)
auの携帯を持っていないからというのと、パソコンのヘビーユーザーなのとすでにiPodユーザーという3本柱ではないでしょうかね。ちなみに自分はAir-edge使ってますんで。iPodはMac/Win両対応でコンピュータユーザの相当の割合を(要求スペックはともかくとして)カバーしていますし。
http://c-kom.homeip.net/review/blog/archives/2004/11/post_133.ht...
デジモノに埋もれる日々: 「着うたフル」のアタリ価格とは
そもそも着うたは携帯コンテンツのひとつで音楽コンテンツというには不自由だし音質に難ありという論調が多いようです。
http://www.ledboots.com/archives/2004/1126125320.php
ledboots.com
個人的には米国iTMSで1曲$.99で買えるのに何でそんなに高いお金払うのかよくわからないですが、携帯電話ユーザーというのはそういうものなのでしょう。
神尾寿さんの記事は非常にいいですね。端的な状況整理。
> auの携帯を持っていないからというのと、
> パソコンのヘビーユーザーなのと
> すでにiPodユーザーという3本柱
> ではないでしょうかね。
なるほど。ちなみに、着うたフル開発チームの方々はみな iPod ユーザです。なので、着うたフルが iPod の対抗馬でないことは、開発者自身が一番よく知っています。その iPod ユーザの方々が、なぜ米国流の音楽配信事業をやろうとしていないのか。まあそりゃ、KDDI がそんなのやっても意味ないでしょ、といったらそれはそうなんだろうけれども、iPod で儲けるから音楽配信事業は利益ゼロでいい、というビジネスモデルに納得していないからでもあると思います。
きちんと音楽で利益を出していこうとする日本方式の方が、私は望ましいと考えますね。
「デジモノに埋もれる日々」は、まさに典型的なブロガーの記事ですね。「日々の戯言をつれづれと」の方は、もう少し素朴で、一般消費者寄りという感じがします。うまいセレクトですね。
以下はアジテーションにつき読み飛ばし推奨。
消費者なんてのはいい気なもので、20型ブラウン管テレビが10万円を切って喜んでいたのはいつの話でしたっけ? 本来、コピーなんてしてはいけない(つまりせいぜい10日間しか聞くことができない)はずのレンタルのシングルCD価格と同等の1曲100円が妥当な価格だなんていう感覚はマトモでない。一過性の商品だ、なんていってみても、絶対に正規のレンタル期間よりは長く楽しむに決まっているのです。
あるいは。もし iTMS が1曲10円で商売していたら、1曲10円が妥当だっていうのでは? 100均ショップに衝撃を受けたのは最初だけ、今では100均ショップの値付けを基準に世界を見ているのが日本の消費者です。
フルでない「着うた」が iTMS と1曲当たり価格がほぼ同じで、iTMS と歩調をあわせ、ほぼ同時期に1億曲突破→累積売上百数十億円となっています。一部しか聞かせない「着うた」でこの成功ですからね、「着うたフル」が1曲300円で順調に売れているのも理解できます。こういう値段です、といわれれば、それなりに納得するのも消費者の真実。
消費者の考える妥当な価格なんて、放っておけばいくらでも低落していくのであって、だから商売は難しい。値段を半額にすれば倍売れるのか。そんなことはなかった、ということは家電屋さんならみな知っています。音楽だって、そうなんじゃありませんか。本当に1曲100円が妥当なのか、ということですね、商売として。
CDの10分の1の価格でしょう。中間マージンが省略できる、なんていっても、半分は伝説ですからね。音楽配信にいくらの投資が必要だかご存じない方が多すぎる。Amazon なんて、少なくとも日本支社は書籍を定価で販売しているのに、ずっと赤字だったじゃないですか。みんなそうして苦労してきた。
そういった商売する側の論理、現実を踏まえた提言が、ブロガー側には、あまりに少ない。値下げすれば音楽配信は爆発的に広まるよ、なんて、適当なことをいうばかり。iTMS が着うた程度にしか売れていないことを知らない、知ろうともしない。消費者にとって都合のいい事実ばかり、大声で宣伝して回ってる。いつの時代も消費者なんてそんなものだったでしょ、といえばそうなのだけれど、それでもやっぱり「目を覚まして現実を見たらどう?」っていってみたくもなります。
……というアジテーションはさておき、次の回答を引き続き募集中。
http://whatsmyscene.blogspot.com/2005/01/blog-post_26.html
what's my scene? ver.6.1
「レコード会社の明るい未来を考えてみる」
手前味噌な例を挙げましたが、結局、Blogを書いている人のほとんどは、エンドユーザーであり、産業としての音楽業界を語っている訳ではありません。だから、単純にあなたが求めている視点で書かれた文献が少ないだけなのです。そして、iTMSはエンドユーザーから見れば一番判りやすいシステムだから、賛同する人が多いだけです。あとは基本的にヘビーなインターネットユーザーであればあるほど、パケット通信前提の着うたには否定的になるざるを得ない(通信費の問題等)傾向があると思います。
まず質問への回答としては、妥当な線。というか、結局のところ、「そういうこと」なんでしょうね。
以下は、例によって。
iTMS の価格設定は、音楽配信が「オマケの収入」であることを前提に決められているものです。累積で2億曲を突破した、といっても、年刊売上ではレコード売上の1%ちょいくらい。
Amazon だって「ネット販売だから仕入れと出荷を集中管理できる=問屋が消費者と直接取引するようなビジネスを実現できる=中間マージン縮減=儲かる」といっていたけれど、これが簡単でなかったことは皆さんご承知の通り。実態としてのパッケージはなくなっても、印刷物製作とウェブ製作の予算が大して違わないことから予測がつく通り、じつは劇的な中間費用の圧縮なんて実現しません。モノはなくてもデザイナーまで不要になるわけじゃない。営業・広告費用も減るどころが増えてしまう可能性さえある。問屋が商売やる形になるので、小売店の取り分だけは抜けるけれど……という話に過ぎないといってもいい。
つまり、市井のレコード店を全部消し去ったとしても、小売店の仕入れ価格分の8掛けくらいの市場規模は存続しないと、音楽産業は維持できない。それだけ売るのに必要な楽曲ダウンロード数は? と考えると、「そりゃ無茶じゃないの」と気付く。人口の何倍だよ、その数字……って。
作詞作曲歌唱演奏担当者(=著作者)の取り分は小売価格の1割程度といわれていて、だから iTMS の価格は正しい、という意見を何度か目にしたことがあるけれど、音楽配信自体にもお金がかかるって知らない人がいるのは驚きます。それに著作者をぽつねんと放っておいてもドンドン作品が生まれてくると思っている人は本当に多くて、ちょっとそれもどうかしている。
iTMS が本当にレコード産業をどんどん侵食していって、しかも値上げもしないのだとすると、音楽産業は少なくとも金銭面で貧しくなります。値段が10分の1になったから10倍買う音楽ファンばかりじゃないよ、という話。
アップルみたいなハードウェアメーカが主導して iTMS のような音楽叩き売りシステムを構築したことのしっぺ返しはかならず出てきます。とはいえ……食物自給率が下がってもほとんど気にしないのが日本人でありますから、案外、重大な問題が生じても他人事のように「そりゃあタイヘンだねぇ」というばかりなのかもしれませんが。
以上で閉じます。
どうもありがとうございます。
かなり検索に手間取る質問だと思います。というか、私自身、非常に難儀した(そしてほとんど成果を得られなかった)ので、はてなで質問を立てたという次第。http://www.hatena.ne.jp/1106308749 とは対照的な質問です。
もし、そのものズバリの回答が出ないようであれば、「なぜ日本のブロガーは現実を見ず幻想を追いかけるのか」という課題へスライドしても構いません。これは日本のマスコミが、何でもかんでも「欧米では〜」と、都合のいいところばかり見て日本の偉い人を批判する構図と同じです。この方向なら、いろいろ興味深い回答も出てきそうな気がします。
あるいは、「なぜ着うたの成功は(少なくともブロガーたちに)無視されてきたのか?」という切り口の回答も大歓迎します。