人気のテーマに偏らず新しい挑戦でPV目標へ、「GOTCHA!」を動かす"次"を探る視点

実践的な語学力を身につける教材の開発をすすめてきた語学教育総合カンパニー、株式会社アルクのオウンドメディア「GOTCHA!」の「はてなブログMedia」導入事例をご紹介します。

教材ではなく、英語に触れるきっかけになるコンテンツを

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左:泉 勝彦(いずみ・かつひこ) 株式会社アルク EdTech事業部 事業部長
_IT系出版社、インターネットサービスの会社でWebメディア、ECサイトの運営などに従事。2015年12月に株式会社アルクに入社。

右:山本 高裕(やまもと・たかひろ) 株式会社アルク EdTech事業部 メディアビジネス推進部 オウンドメディアチーム
_東京都立高校の英語教員を経て2001年に株式会社アルク入社。児童英語教材・雑誌、TOEIC対策教材の編集を経て、現在は「GOTCHA!」編集チーム責任者。


__アルクさんは「英辞郎 on the WEB」をはじめ、教材・書籍等の販売、学習コンテンツなど様々な形でWebサイトをご活用です。そんな中、Webマガジンという形で「GOTCHA!」を開設したのにはどんな目的があったのでしょうか。

泉さん はい、弊社にはいくつかの事業サイトがあり、古いものでは20年くらい運営しています。CMSも利用しているのですが、運用の仕方の影響で重い仕組みになってしまっていたり、HTMLの知識がないとうまくできない部分もあります。とはいえ、新しい商品が出た時などタイムリーにコンテンツを出したいタイミングは度々あるので、気軽に更新できる場所が欲しいと思っていました。

内容的にも、教材をWebページにしたようなページはあったのですが、英語に触れるきっかけになるようなコンテンツを置く場所があまりなかったので、その意味でも新しくメディアと言える場所があるといいなと思ったのが理由でした。

__既存の事業サイトとは違うスタイルのメディアを必要とされたわけですね。現在の運用体制を教えてください。

山本さん オウンドメディアチームという部署の4名で運用しています。「GOTCHA!」のコンテンツのほか、メールマーケティングやSNS全般なども担当しています。

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GOTCHA! (URL:https://gotcha.alc.co.jp/

__更新頻度はかなり高いようですが、記事制作はどのようになさっているのですか?

山本さん 現在は平日1日2本、午前7時と11時半に掲載して、それぞれ朝と夕方にSNSで誘導をかけるようにしています。記事の内容については、編集部で3ヶ月に1回会議をして、次の3ヶ月の間にどんな連載を入れるか、単発の記事はどんな企画にするのかをあらかじめ決めておきます。執筆は、内部で書く場合、ライターに依頼する場合、著者を立てた連載など様々ですね。

Webですからフットワーク軽く、担当者が面白そうと思うところから始まって、それが読者に喜ばれるかどうかをみんなで話し合って決めていきます。ただ、それを続けるだけですと、自然とみんな似た内容になってきてしまうので、ちょっと挑戦的な内容や新しい視点の記事も混ぜていくようにしています。

__反響の予測のつかないものも含めて、いろいろな視点や方向性を取り入れようとされてるんですね。

山本さん アルクの既存のお客様は比較的英語ができる人が多く、TOEICなら800点、900点を目指しましょうといったような記事が喜ばれる傾向にありますが、SNSへの拡散を考えるともっと入りやすい話題の方が良いですよね。そのバランスを取りながら考える必要はあると思っています。内容自体も、上級者を狙うとTOEICなどのスコアの話に終始しがちなので、たとえばビジネスマナーや文化の話なども扱っています。それがウケるかどうかは出してみないとわからないところですが、トライしながら、というところですね。

人気の内容をあえて繰り返さない、常にチャレンジするための方法

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__運用の成果を測る目標値やKPIについて教えてください。

泉さん メディアとしては、PVを目標に設定していますが、設定の仕方はいろいろです。「3ヶ月の間に何PV以上のヒットをいくつ出す」とか、「ソーシャルメディアから何PV誘導する」などです。例えば、Instagramで盛り上がることを狙った記事と、はてなブックマークによる拡散を狙った記事では、選ぶテーマや書き方が全然違いますよね。スタッフはWebメディアに特化した編集の経験がほとんどない状態から頑張っているので、「PV」とか「ソーシャルからの流入」などの目標の持ち方を変えていくことで、いろんな経験や知見が得られるとも考えています。

山本さん 個人の目標と全体の目標を2本立て・3本立てにすることで、誰かひとりが頑張ったらいいという形にはならないようにしつつ、全体のKPI達成ができるような工夫をしています。

__編集に関わるスタッフの方の育成も意識された目標設計になってるんですね。

山本さん PVだけを目標にしていると、当たり前ですが「PVが出やすい企画」だけを考えるようになります。PVの要因には著者の影響力も大きいので、やはりどうしても人気のある方に書いてほしくなるんですよ。そこで、基本的に連載は3ヶ月で替えて著者も入れ替えるようにしています。そうすることで、スタッフはまた1から新しい企画に挑戦できるわけです。それに、出版に比べて様々な挑戦がしやすいWebメディアをやっている私たちが、どんどん新しい著者を探してくるフロントにならなくてはいけないと思っています。なるべく新しい人にまずはWebで依頼し、後々は出版も含めたアルク全体にコンテンツを提供してくれる大きな著者になってくれたらいいなと考えて、そういう視点からもトライしています。

__「GOTCHA!」での取り組みがほかの部署や事業にスケールした事例などはありますか?

山本さん はい。昨年からは「GOTCHA!」でやっている連載を電子書籍の形にまとめて販売することも始めました。現在までに8冊出ていて、今後も続けていく予定です。「GOTCHA!」で無料で読める記事を電子書籍にしてどれくらい反応があるのか、不安もあったのですが、思った以上に好評でした。電子書籍にするにあたり追加のコンテンツを用意したりもしましたが、やはり電子書籍というフォーマットで読みたいというニーズが想像以上にあるんだなと、可能性を感じました。もちろん、まだまだ会社全体としてはまだ大きな数字ではありませんが、今後が楽しみです。

最近は、はじめからから電子書籍にすることを想定して連載の企画を立てるケースが増えています。紙の書籍では通りにくいような企画でもWebなら通せることもあって、著者の方も楽しんで書いてくださいます。Webでなくてはできない、面白い視点の英語を出していきたいですね。

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__「GOTCHA!」の集客施策としてはどんな取り組みをしていらっしゃいますか?

泉さん 特に変わったことはしていないと思います。それぞれの流入元を意識した記事をきちんと作るなど、基本的なところですね。アルクの既存顧客向けにメールマガジンを出しているのですが、そこで人気の出そうな「GOTCHA!」の記事を紹介することもあります。

__「英辞郎 on the WEB」は、スマートニュースさんの「英語学習チャンネル」からの流入が多いと伺いました。「GOTCHA!」のコンテンツも配信されていますよね?

泉さん はい。「はてなブログMedia」が「SmartFormat」に対応したフィード変換ツールを提供してくれているので「GOTCHA!」でも簡単に設定できました。また、集客施策としては、「はてなブックマーク ネイティブ広告」にも出稿させていただきました。英会話というテーマはブックマークのユーザーさんと親和性が高いようですね。ただ、全体をならしてみると一番大きな流入経路はやはり検索です。

__SEOではどういった取り組みをされていますか?

泉さん キーワードを意識して設計された記事もあるにはあるのですが、全体の5%ほど。今はそういったことはそれほど意識していません。ターゲットのキーワードをマッピングしてコンテンツを設計して…というやり方は、特殊な世界ですよね。新しいものを作っていくこととの両立はなかなか難しいのではないか思っています。いまは先ほど申し上げたような、喜んでいただける企画と挑戦を織り交ぜて、質の高いコンテンツを継続して発信するということに注力しています。

__先ほど電子書籍の販売のお話を伺いましたが、それ以外のマネタイズについても教えてください。

泉さん 「GOTCHA!」に掲載するタイアップ広告と、成果報酬型のアフィリエイトの、大きく2つです。月刊誌の「イングリッシュジャーナル」とミックスした広告企画もありますね。アルクの広告事業があるので、そこで取り扱う媒体の一つとなっています。

山本さん あとは、直接的な売上ではありませんが自社の通信講座のランディングページになる記事や、新しい書籍の紹介など、事業サイトの方で詳しい紹介記事を載せる仕組みになっていないところがあるので、そのフロントとして機能させているケースもあります。

「はてなブログMedia」のメリットは、技術を意識せず安心して使えることと作業効率化

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__CMSに「はてなブログMedia」を選んでいただいた理由はどんなところですか?

泉さん 早く新しいWebメディアを始めたかったので、導入に時間もお金もかけたくなかったことが大きいですね。安くはないので多少の躊躇はありましたが、専用に開発してもらうことや運用コストのことを考えたら決して高くはありません。自分たちでWebのトレンドやSNSなどのプラットフォームの仕様変更まで追いかけて、継続的にアップデートしていくのは大変ですからね。そういう面で、はてなさんが継続開発をしてくれていることはありがたいと思います。日頃、技術のことはほぼ意識していませんから。あと、私自身がもともと「はてなブログ」のユーザーだったので、その安心感もあって、一度お話を聞いてすぐに導入を決めました。

「はてなブログMedia」に限った話ではないと思いますが、自分たちで開発する場合、この機能はもっとこうしたい、みたいな要望がキリなく出てくるんです。だから、そこは可能な範囲の中で工夫してやると割り切って、書くことに集中した方が結果的にいい場面が多いと思っています。

__導入によって作業時間が短縮されたとお聞きしましたが、これはそうした部分のことですか?

泉さん いえ、それは「はてなブログMedia」とそれまで使っていた別のCMSで「編集画面からテキストを3文字修正して保存する」という作業をストップウオッチで測って比べてみた実測値です。「はてなブログMedia」での作業の方が、2.7倍速かったです。日々、何十回も繰り返すであろう作業なので、そういう差の積み重ねを生む「使いやすさ」への意識は本当に大事だと思います。

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__今後「GOTCHA!」で取り組んでいきたいことがあれば教えてください。

山本さん Webだけで完結せず、自社の雑誌や他の媒体とも共同でどんな企画ができるか、その発展を探っていきたいですね。毎日の記事更新に追われているとそこに終始してしまうので、次のアクションを考えながら仕事をしていきたいと思います。

泉さん マーケティングやPRの役に立つことも大事ですが、私たちはメーカーなので、製品開発のような部分でも貢献できたら面白いのではないかと考えています。Webというバックグラウンドを活かして小さな製品を企画したり、大きな製品のA/Bテストになるものを記事コンテンツの形で作ることもできるかもしれません。そういったところで、まだまだできることがあると思っています。

__ありがとうございました!

企画の「勝ちバターン」に執着せず、多様な企画へのチャレンジを続けながら、メディア単体でのマネタイズや社内のほか事業とのシナジーを実現している「GOTCHA!」の事例をお届けしました。

企画・制作:はてな
写真:赤司 聡
執筆:笠井 美史乃

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