タイミーに学ぶ、リソースが少ない環境で「信頼できるメディア」をつくる方法|はてなCMSを選んだ理由

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「オウンドメディアを立ち上げたいが、どのCMSを選べばいいかわからない」 「運用が属人化しそうで不安」 そんな悩みを、はてなCMSの導入企業はどのように解決しているのでしょうか。

今回ご紹介するのは、株式会社タイミーが2025年1月に立ち上げた中央省庁・自治体など公的機関向けの情報発信サイト「スポットワーク研究所サイト」の事例です。

上場企業としての厳しいセキュリティ基準や、サイト構築の推進を一人で進めなくてはならない状況の中、構想から約半年で立ち上げまでこぎ着けました。

このプロジェクトの裏側で、はてなCMSがどう選定され、どんな形で貢献したのか。メディアを所管する公共政策部の齋藤裕美子さんに伺いました。

ミッションは、安心・安全にスポットワークで働く環境を「整備」すること

──はじめに、タイミーの事業内容と、齋藤さんが所属されている「公共政策部」の役割について教えていただけますか?

齋藤裕美子さん(以下、齋藤):当社は、短時間・単発の就労を内容とする雇用契約のもとで働く「スポットワーク」のマッチングプラットフォームを提供しています。


齋藤裕美子さん:2021年タイミーに入社。オウンドメディア「タイミーラボ」の立ち上げや採用広報周りを担当後、現職。行政機関向けのメディア担当として、調査・研究や、事例発信に取り組む。

その中で私が所属している公共政策部は、スポットワークの「機会の最大化」と「脅威の最小化」がミッションです。

この2つのミッションは、スポットワーカーの皆さまに安心・安全にサービスを使っていただくための「環境整備」を指しており、具体的には、既存の法制度との調和を図りながら事業運営上のリスクマネジメントなどを行っています。

そうした環境整備の一環として、「スポットワーク研究所サイト」では主に公的機関に向けて、スポットワークの活用事例やスポットワークにまつわる調査レポートなどの発信です。

──それがなぜ、ワーカーが働く環境の整備につながるのでしょうか?

齋藤:スポットワーカーはほとんどの働き手が正社員職やパート・アルバイト職などと兼務していたり、働く環境がめまぐるしく変化する中で、既存の政府統計だけでは、ワーカーのリアルな労働実態を把握しきれない部分があるのではないか、と感じているからです。正しい現状を把握できないと、適切な環境を提供できませんからね。

それならばプラットフォーマーである私たちが、一次データや現場がどのようにスポットワークを活用しているか取組事例を発信し、「スポットワークはこういう職種・地域でこれだけ活用されている」「スポットワークは各業界や地域でこのように活用されている」「現場で安心・安全に働ける」と自ら伝える必要があるよね、と。

スポットワーク研究所

社内エンジニアも「はてながいいんじゃないか」と推薦

──そんな「スポットワーク研究所サイト」は、はてなCMSで運用されています。メディアを立ち上げるにあたって、さまざまな選択肢がある中でなぜはてなCMSを選定されたのでしょうか?

齋藤:CMS選定にあたっての大きな判断ポイントは「セキュリティ」でした。

当社は2024年7月に上場したのですが、上場準備とメディアの立ち上げ期がちょうど重なったこともあり、当時は新しいツールを導入するセキュリティ審査基準が、より厳重になっていったんです。

そんな中で、いくつか他社のサービスも並行して検討していたところ、社内のデザイナーから「はてながいいんじゃないか」と推薦されたことがきっかけでした。

──内部推薦の形で検討のテーブルに上がったんですね。

齋藤:はい。実はタイミーでは、以前からエンジニアブログ(https://tech.timee.co.jp/)で、はてなさんのサービスを利用していて。社内のエンジニアも「はてなさんなら、上場企業に求められる厳しいセキュリティ要件にもしっかり対応している」と太鼓判を押してくれました。正直なところ、費用面だけを見ればより安価で利用できるサービスは他にもあったのですが、周りからの支持は意思決定の大きなポイントになりましたね。

【補足】はてなCMSは、IPアドレスやロールに基づくアクセス制御をはじめ、外部機関による定期的な脆弱性診断、脅威検出サービスを利用した不正アクセス対策、データの暗号化および日次バックアップなど、上場企業や官公庁に求められる高度なセキュリティ要件を満たしています。詳しくは、こちら
https://www.hatena.ne.jp/cms/security/

──エンジニア視点で厳しいセキュリティ審査をクリアしているということも、大きな決め手になったのかもしれませんね。

齋藤:そうですね。もう一つは「SEOの強さ」に対する期待もありました。

スポットワーク研究所サイトはBtoG(Government、中央省庁・自治体などの公的機関)のメディアなので、何よりも「情報の信頼性」や「データの正確性」を重視したい。なので、SEO記事を大量に作って検索順位をどんどん上げていく、という成長戦略は採用しづらいと考えていました。そもそも、BtoG領域はターゲットとなるキーワードの検索ボリュームが限られていますしね。

ただ、将来的なメディア戦略としてSEOを完全に無視することは想定していませんでした。その点、はてなCMSはサブディレクトリオプション(※1)があるなどSEOにも強く、担当者の方からも、SEOに関する適切なアドバイスをいただけるのではないかと期待しましたね。

※1:SEO専門家・辻正浩氏にアドバイスをいただき開発をしています。詳しくはこちら
https://blog.hatenablog.com/entry/hatenabb-subdir

齋藤裕美子さん

複雑なオーダーも「できない」で終わらせない、手厚い伴走体制

──ここまでCMSの選定プロセスにまつわるお話を伺いましたが、実際の構築フェーズに入ってから、苦労された点はありましたか?

齋藤:当初はサイト構築に関する知識のない私一人でプロジェクトを進めていたので、まさに「手探り」という感じでしたね。

そんな状況だったからこそ、はてなさんのサポート体制には非常に助けられました。例えば、デザインに関しても、社内から要望が次々出てくるんですよね。

信頼感が何より大切なBtoGのメディアなので、そうしたオーダーが出てくること自体は理解できるのですが、一方でスケジュールの制約もあるため、すべての要望をそのまま実装するのではなく、優先順位をつけて現実的な落とし所を見つける必要がありました。

そこで、社内の要望を取りまとめた上で、はてなさんの担当者の方に「実現したい見せ方の意図はこうなのですが、リソース内で最適な実装方法はないでしょうか」と率直に相談して。

すると、条件の厳しい要望にも、ただ「技術上できません」と言うのではなく、私たちのリソースやスケジュールに合わせて「こうすれば実現できるかもしれません」と、具体的なアイデアも提示していただけたんです。

併せて、要望を「優先順位が高いもの」「標準機能でカバーできるもの」などに分類していただけたことで、社内のメンバーとの認識のすり合わせもスムーズに進めることができました。

──たしかに、社内の要望を取りまとめたり、スケジュールを切って物事を動かしていかなければならない立場で考えると、開発会社の手厚いサポート体制は大きな魅力ですよね。そうして無事メディアの立ち上げを完遂されたわけですが、現在運用面ではてなCMSが貢献している部分はありますか?

齋藤:開発の知識がない私でも、自走して運用できています。はてなCMSは、ブログを書くような感覚でテキスト入力や画像配置ができる「見たままモード」が基本の入稿スタイルなので、HTMLを意識する必要がほとんどありません。

もちろん、複雑なパーツについてはHTMLでの調整が必要なこともありますが、はてなの担当者さんが専用の入稿マニュアルを作ってくださったおかげで、知識のない私でも迷わず操作できています。

そのおかげで、今では部署内の他のメンバーも入稿作業などを担当するようになりました。チームでメディアの運用を回せる体制を少しずつ整えていきたいと感じています。

Webから冊子へ、クロスメディア的なプロジェクトも

──運用体制が整ってきたとのことで、今後メディアもますます成長していきそうですね。

齋藤:そうですね。メディアを始めてから、お問い合わせの質も格段に上がったという実感があります。実際、大手企業の方からメディア経由で直接ご連絡いただくことも増えました。

また、地方創生に取り組む自治体さまや研究機関から、事例紹介記事の制作をきっかけにお問い合わせやつながりが生まれて。

例えば、タイミーと自治体さまの事例記事をご覧になった別の自治体さまからお問い合わせをいただき、それがきっかけで、スキマ時間を活用した子育て世帯の就労支援に関する「連携協定」の締結へと結びつきました。

──公的機関とのつながりが生まれ、それが事業にも貢献していく流れが素晴らしいですね。タイミーさんが持つ一次データが、実際の施策立案に生かされる道も開けたということでもありますし。

齋藤:おっしゃる通り、研究機関ではない私たちが発信の「窓口」として機能し、公的機関から直接お問い合わせをいただけるようになったのは非常に大きいですね。

──Webメディアの記事をベースにして、「冊子」も作成されたと伺いました。

齋藤:はい。自治体に配布するための冊子ですね。公的機関ではメディア発信だけではなく、「郵送・DM」でのアプローチ効果が大きいこともあって、クロスメディアで展開することを考えました。そこで、冊子で取材したことをWebに載せたり、その逆をやったり、そういうシナジーを生めないかなと思い、今回の取り組みに至っています。


冊子「スポットワーク研究所 vol.1」より/https://spotwork.timee.co.jp/entry/case/regional-revitalization

おかげさまで、この冊子をきっかけとしてサイトに興味を持ち、実際に見に来てくださる方が増えるといった相乗効果も生まれました。

まだ創刊号を出した段階ですが、今後もぜひつくり続けていきたいですね。これもWebメディアという確固たる土台ができたからこそ、挑戦できたことだと感じています。

──確かな土台の上でメディアが着実に成長しているお話を伺えて、伴走する私たちとしてもうれしいです。最後に、今後の「スポットワーク研究所サイト」の展望について教えてください。

齋藤:定量的なデータと現場の声、この両方のバランスを大切にしながら、スポットワークという働き方について客観的・中立的な発信を心がけていきたいですね。

100万人に読まれるサイトを目指すというよりは、ステークホルダーの方々に信頼され、何かを考えるときに「まずはここを参照しよう」と思ってもらえるメディアでありたいと考えています。今回、自分たちの手で柔軟に育てていける土台ができたので、労働市場や社会の変化に合わせてアップデートし続けていきたいですね。

齋藤裕美子さん

まとめ

スポットワーク研究所サイトが、公的機関からも信頼されるメディアへと成長できた背景には、スポットワーカーのリアルな労働実態を届けようとする齋藤さんの強い想いがありました。

そして、その想いを形にするための「土台作り」を支えたのが、はてなCMSの豊富な機能と手厚い伴走体制です。開発リソースが少ない中、自分たちの手でメディアを育てていきたい。そんな企業の挑戦を、はてなCMSは力強くサポートします。

タイミー社も活用しているはてなCMSの具体的な機能をもっと知りたい方はこちらはてなCMSの詳細ページを見る

取材・編集:はてな編集部
写真:佐坂和也