
はてなのコンテンツマーケティングサービスで企業のオウンドメディア立ち上げや運用支援を担当しているtm_ishidaです。
はてなではオウンドメディア支援を行う際、まずヒアリングを通して各企業様の課題や要望の整理をします。その上でオウンドメディア戦略を立案し、実行のスケジュールやKPIなどをまとめた「実施計画書」に沿って各オウンドメディアの立ち上げ・運用支援を行っています。

以下は、簡単にまとめた「オウンドメディアのタスクリスト」です(※横にスライドするとスクロールします)。もちろん、さらに多くのタスクが必要なケースもありますが、おおまかな全体像としてこのような項目について考えていくことになります。
1. 計画
- 市場調査
- 課題設定
- ペルソナ、カスタマージャーニー設定
- メディアコンセプト
- KPI策定
- 媒体名の決定
- メディアロゴ
- チームビルディング
2. 構築
- ドメイン取得
- サーバー契約
- サーバー保守運用
- 閲覧性対策
- セキュリティ対策
- 機能開発
- CMS選定
- SEO設計
- デザイン
- 外部サービス連携
3. 制作
- 編集方針
- 確認フロー
- 著者選定
- 企画立案
- 編集/校正
- 関連部署確認
- OGP設定
- 著者との契約
4. 流通
- SNS運用
- 広告運用
- 入稿素材準備
- 外部配信交渉
- 著者交渉
5. 分析
- 解析ツール選定・設計
- Google Analytics 4
- Google Tag Manager
- 広告分析
- SNS分析
- レポート
冒頭で紹介した「実施計画書」は「1.計画」の段階で作成するのですが、オウンドメディア運用の目的に沿ったコンテンツを制作し、適切な振り返りをするためにも、計画段階でしっかりと施策のゴール、KPIを策定し、関係者間で認識のすり合わせをしていくことは非常に重要になってきます。
そして、オウンドメディアの計画段階で「外しちゃいけないのに、外しがち」なのが市場調査です。これは、オウンドメディアの運用を検討している企業の外部・内部の環境分析を通して「業界内でどのような立ち位置にいるのか」「どのような課題を解決したいのか」という状況整理をするためにも大切なプロセスです。
この状況整理を怠ると、せっかく発信したコンテンツも無意味なものとなりかねません。そこで本記事では、例を交えつつ、オウンドメディア運用の戦略設計において市場調査を含む状況整理がなぜ重要と考えているのかを紹介できればと思います。
はてなではオウンドメディア運用に役立つ資料を無料で配布中。企業課題やペルソナ、コンテンツの方針などの整理に役立つ「オウンドメディア設計シート」は、リーンキャンバスというフレームをもとに作られたシート。設計シートを活用することで、企業課題やペルソナ、コンテンツの方針などの整理にお役立ていただけます。新規立ち上げだけでなく既存メディアの運用見直しにもご活用いただけます。
オウンドメディア運用で「あるある」な失敗例
オウンドメディアの立ち上げを検討されている企業様の中には「競合もオウンドメディアを保有しているから」「自社の情報を発信する場としてオウンドメディアの運用がいいんじゃないかと思った」と、半ば勢いで始めようとしているケースが少なからずあります。
しかし、本来であればその背後には「他社と比較すると◯◯の世代への認知度が低い」「出遅れているオンラインでの接点を強化し、シェアを挽回したい」といった具体的な課題感があるはずです。問題は、それらの動機が明確に言語化されておらず、結果的にメディア運用の方向性が曖昧になることです。
ここで大事になってくるのが「自社の立ち位置」がどこにあるのかを把握することです。
はてなでは「オウンドメディアを運用したものの、思うように成果を感じられない」とご相談をいただくことも多いです。こうしたお問い合わせに対し詳しくお話を聞いてみると、同業他社の間で自社がどういう立ち位置にいるのかを「わかっている前提」で明文化せず、運用を開始していることがうかがえるケースも少なくありません。結果、振り返りを行わないまま、なんとなくオウンドメディアの運用を開始し、ざっくりとしたテーマでのコンテンツを発信してしまっている……なんてこともあります。
具体的な成果指標を設定せずに運用を続けてしまうと、ただ検索で上位に表示されることや、独自性のあるコンテンツの提供に注力するだけになってしまい、PVは増えるものの、ビジネスゴールに直結しない「無駄なトラフィック」を生む結果になりかねません。
そのためにも、運用前の戦略設計で外部環境×自社の強みを把握し「自分たちは今どの立ち位置にいてどこを目指すのか」を可視化することが大事になってきます。ここがはっきりすると、自然と「オウンドメディアでは何をすべきか、誰に向けてどんなコンテンツを出すべきか」が見えてきます。
市場調査(競合調査)、外部環境を探る
ここからは、実際に何をすればいいのか? という点を例を交えつつ紹介できればと思います。例として、大手銀行がオウンドメディアの立ち上げを検討しているときに行ったケースを紹介します。
まずは、自社を取り巻く外部環境が、現在もしくは将来的にどのような影響をあたえるのかを確認していきましょう。次の図は、「PEST分析」という大きめのフレームワークを使って金融業界の外部環境をざっくり記載したものです。

合わせて、直近の業界動向も見ておきましょう。これまではメガバンクや地方銀行といったあくまで銀行だけで顧客獲得の争いをしてきたものが、近年ではフィンテック企業の台頭や、コロナ禍によりオンライン取引や非対面型サービスの需要が急速に増加したこともあり、従来の金融サービスモデルの変革が迫られていることがわかります。
では、こうした状況から先程の銀行はどういったオウンドメディアが必要になってくるのでしょうか。
この銀行は他の分析で「オフラインでのサービスが充実している」というイメージをユーザーから強く持たれているということがわかっていました。しかし、実はこの銀行も外部環境の変化に応じて、徐々にDX領域でのアプローチを進めていて、他行と比較しても十分アピールできる点があります。
一方で、ユーザーからはそうした「DX推進を行っている」という認知がまだまだ取れていません。まずは、そうしたイメージの定着を図るためのオウンドメディアを実施していく必要があるのでは、という課題感が見えてきました。
では実際にオウンドメディアのアウトプットはどんなものにするといいのか、というのを考えていきます。
ここでは、他社が運用しているオウンドメディアの傾向を元に、自分たちが「当てにいくべき」メディアの方向性は何か、というのを分かりやすく示すためにマッピングをしています。

実際に他社の状況も確認しながら進めていくことで、狙うべきコンテンツの方向性やターゲット、というのも見えてくるようになります。
こうした市場調査を含む環境分析を事前に行うことで、ペルソナやカスタマージャーニー設定の解像度も高めやすくなるだけでなく、「誰に向けて、どんなコンテンツを提供するべきか」といった点が見えてきます。
オウンドメディアの立ち上げにおける市場調査は、計画段階においてまずはじめに行うべき要素になります。これを行わずに「わかったつもり」で進めてしまうと、ただコンテンツを出すだけ、といったオウンドメディアになりかねません。
そのためにも「わかっているつもり」はやめて、改めて自社の立ち位置はどこなのか? を考えるようにしましょう。
市場調査を行い自社の立ち位置を明確とするのは、あくまでスタート地点。その後、オウンドメディアの立ち上げのためにやるべきことは多岐に渡ります。
はてなでは、こうした市場調査を含め「はてな MediaSuite」としてオウンドメディアの計画から運用までオウンドメディアのトータル支援サービスを提供しています。オウンドメディアの立ち上げを検討している方はもちろん、運用中メディアの見直しを考えている場合にも、まずはお気軽にご相談ください。
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