ヘッダー設定

小川さんアイキャッチ

株式会社HAPPY ANALYTICS小川卓id:ryuka01)です。

Looker StudioはGoogle Analytics 4(GA4)をはじめとした多くのデータソースを活用してウェブ上でレポートを作成することができる、Googleが提供している無料サービスです。多くの企業で利用されている人気のサービスで、以下のようなメリットがあります。

1. 複数のデータソースを一つにまとめて、レポートを閲覧することができる
複数のツールにログインしてデータを見るのは面倒です。一か所で重要な数値がまとまっていれば手間も減りますし、数値の関係性をぱっと確認できます。

2. 各ツールの使い方を覚える必要がない
Google Analytics 4やGoogle広告など、各ツールの権限を付与してもらい、使い方を覚えるのは面倒です。必要なデータは一部なのに、そのための学習コストが高く面倒でデータを見なくなってしまうのを防ぐことができます。

3. 共有が行いやすい
メール・PDF・URLなどさまざまな方法でレポートを他の人に共有することができます。また該当ツールの権限がなくてもデータを見ることができるのがメリットです。

以下の画像のように、レイアウトも自由に行うことができて、利便性が高いのがLooker Studioです。

Looker Studioのレポート例
Looker Studioのレポート例

今回は、オウンドメディアの運用担当者であればLooker Studioを活用してどんなレポートを作成するべきか、また実際にLooker Studioでレポートを作成するときに使うさまざまなグラフ機能や、活用・表現の幅を広げたいときに役立つ「計算指標」や「関数」などを使ってできるアウトプット例を前編・後編に分けて紹介します。

まずは前編として、どんなLooker Studioのレポートを作成するかの整理方法、具体的なレポート作成に入る前に用意しておきたい「Looker Studioの設計書」の作り方、表やグラフを配置する前にやっておきたいことについて紹介します。

なお本記事では、Looker Studioのセットアップや基本的な表やグラフの作成方法に関しては割愛いたします。また、GA4とLooker Studioの使い分けに関しては、以下の記事を参考にしてください。


オウンドメディアで見るべき4つの情報

いきなりLooker Studioを利用しようとしても、何を見るべきかが分かっていないと、時間の無駄になってしまいます。まずは自社のオウンドメディアでどういった数値を見るべきか? を整理するところからスタートしましょう。

オウンドメディアの場合、私は見るべきポイントは4つあると考えています。それぞれを確認してみましょう。

1. 流入に関する情報

オウンドメディアへの流入数や流入元の情報を整理します。シンプルに時系列での訪問数もそうですが、どういった流入元から来ているのか、そして検索順位に関する情報などもあるとなおよいでしょう。

主なデータはGoogle Analytics 4で取得できますが、検索エンジンのデータであればSearch Console、広告のデータであればGoogle広告やYahoo!広告などが対象となります。ソーシャルメディアがもっているツールのデータも必要かもしれません。

このあたりは利用している集客方法に応じて決めましょう。

Looker Studioで流入元を示した折れ線グラフの例
Looker Studioで流入元を示した折れ線グラフの例

2. オウンドメディアを訪れる人に関する情報

オウンドメディアを訪れる人に関する情報も把握したいところです。デバイスカテゴリごとの値、そしてサイトによっては地域・年代・性別の情報なども有効でしょう。

Google Analytics 4を利用すればこれらの情報が取得でき(年代・性別に関しては一部ユーザーのデータのみ)、Looker Studioで記事ごとに情報を見ることも可能です。

Looker Studioの例
Looker Studioのレポート作成例

またユーザーの利用頻度なども見ておきたいところです。新規の人数、訪問回数が多い人、コンバージョン経験がある人といった分類があるとよいでしょう。

3. 記事閲覧に関する情報

「どの記事が見られているか」というシンプルなユーザー数やページビュー数も重要ですが、記事をちゃんと読んでいるか? を確認するためのデータもあるとよいでしょう。例えばスクロール率・読了率・閲覧時間などが該当します。

また記事単位で見ることも大切ですが、記事がカテゴリごとなどの属性に分かれている場合は、属性ごとに見られると比較が行いやすくなります。

主な属性としては、「カテゴリ」「公開日」「執筆者」「文字数」「記事の目的」「お気に入り追加数」「ソーシャルメディア投稿数」などが挙げられます。

これらのデータはGoogle Analytics 4で自動で取得することはできません。Google Tag Managerの設定やサイト側への変数の追加などが必要となりますが、取得を行えば、ユーザーの興味関心や改善ポイントがより具体的になります。

はてなブログを利用されている場合は、カテゴリなどの情報を簡単に取得し、Google Analytics 4で計測できます。ぜひ以下の記事を参考にしてください。


4. 成果に関する情報

記事を読んでも、そのまま終わってしまうとオウンドメディアを運用している価値を見出すことができません。そこで、オウンドメディア運営におけるゴールを決め、それを計測しレポートで見られるようにしましょう。

成果として設定する項目として、以下のような例が挙げられます。

  • メールマガジン登録
  • 外部リンククリック(アフィリエイトサイトや外部サイト)
  • 自社商品やサービスページへの送客
  • 自社サイトでのコンバージョン(購入・申し込み・問い合わせなど)

読んだ記事がきっかけで成果につながったのか? その数を見られるようにしておくことは、記事の評価、そして今後どういった記事を書いていくかを決める上で重要です。

こちらもGoogle Analytics 4 でキーイベントの設定をしておけば、Looker Studio上で見ることができます。

Looker Studio上でキーイベントの数値をグラフで表示させた例
Looker Studio上でキーイベントの数値をグラフで表示させた例

ただ、一つ注意があり、Looker StudioでGA4のキーイベントの数やコンバージョン率を見たい場合は、キーイベントの名称を「英文字」にする必要があります。日本語の名称だと見ることができません。

Looker Studio用の設計書を作成しよう

4つの内容を参考に、どういったデータをどれくらいの細かさで見たいのか? をいったん書き出してみましょう。筆者であれば、以下のような表を利用しています。

各項目がLooker Studioで作成する一つ一つの表やグラフにあたります。

レポート名 データの粒度 アウトプット形式 指標 ディメンション データソース
流入元の推移 日/週/月単位 折れ線グラフ ユーザー数、新規ユーザー数 日付 GA4
記事の読了状況 月単位 表形式 表示回数、読了数、読了率 記事タイトル GA4


レポートを作成する人も、見る人もこのドキュメントを作成すれば、すれ違いがおきにくく、議論もしやすいです。このタイミングですりあわせを行わないと、後で「これが見たかったとか」「これは必要ない」とか「こういった内訳で見たい」といった期待と違った形になり、労力が増えてしまいます。

Looker Studioは作成をした上で、共有して見てもらわないと意味がありません。利用者が1人であれば各ツールを見てもよいですし、自由に作って構いません。しかしクライアント、コンテンツ担当、集客担当、上長などさまざまな人に分かりやすく見てもらい、活用してもらうことがLooker Studioを利用する理由ですし、今後のサイトの改善にもつながってきます。ぜひ、しっかりアウトプット内容を合意しておきましょう。

Looker Studioにレイアウトしてみよう

アウトプット内容が決まったらLooker Studioを活用してレポートを作成していきます。しかし、いきなり表やグラフを入れることを私はおすすめしません。

最初にやるべきことは配置を決めることです。いきなり一つずつ表やグラフを作成していくと、どこに配置するべきなのか? 何ページ目に入れるべきなのか? といった形で混乱してしまい、作成する側も見る側もアウトプットが滅茶苦茶になってしまうことが多いです。

そこでLooker Studioの図形とテキスト機能を使って、配置を以下の画像のように考えてみましょう。

Looker Studioの配置イメージ
配置イメージ

このような配置を行うメリットは二つあり、一つ目は配置することで「情報を整理できる」ということです。本当に必要なデータが網羅されているのか、適切なサイズや見せ方なのか。表やグラフを作成する前に決めることで、作業工数を大きく減らすことができます。

二つ目は「再度共有を行って確認ができる」ということです。前述の項目でどういったアウトプットの内容になるかは決まったかと思いますが、見る側が描いている「イメージ」と違うケースはよくあります。どのように情報が整理されるのか? 1ページにどれくらい情報を詰め込むのか? こういったことは、表示内容を決めている段階では判断できません。しかし、このようなイメージ図があれば、その問題も解決できます。

一見、手間かもしれませんがこの手順を取ることにより、アウトプットまでの時間と質が上がることは断言できます。

次回はレポート作成する上での機能やポイントを紹介

これでLooker Studioを作成する前の準備が整いました。

次回の記事では、オウンドメディア×Looker Studioのレポートを作成する上でのおすすめのレポート例や、計算指標や関数を活用したデータの出力方法を具体的に紹介いたします。お楽しみに!

2025/03/27追記:記事の後編を公開しました!


 

* *

今回、寄稿いただいた小川卓氏による過去の連載記事も合わせてご覧ください。

また、Googleアナリティクス4のオンライン勉強会のレポートもご覧いただけます。


▼関連記事

勉強会の資料は以下よりダウンロードしていただけます。

参考資料なども含めてGA4の理解や移行に役立つ情報がまとまっています。ご希望の方は必要情報を記載の上お申し込みください。

Google Analytics 4解説資料ダウンロード

【資料サマリ】Google Analytics 4の概要/オウンドメディアで計測すべき5つの指標と設定方法/ユニバーサルアナリティクスと同様の設定をGA4で実現する方法(全66ページ)

最新記事

人気記事