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セミナーレポート


https://www.hatena.ne.jp/ownedmedia/article/2025/03/13/seminar250129report

はてなでは、2025年1月29日(木)に、企業のWebマーケティング・広告・宣伝・広報ご担当者様を対象にしたオンラインセミナー「マーケティング戦略におけるオウンドメディアの役割と課題」を開催しました。

ゲストにソフトバンク株式会社、株式会社LIFULLのオウンドメディア担当者様を迎え、マーケティング戦略におけるオウンドメディアの役割、KPI、オウンドメディア運用と生成AI活用などについて、テーマに沿ったトークセッション形式で事例を紹介いただきました。

本記事では、当日のセミナーレポートを前後編でお届けします。

※こちらは後編の記事になります。前編はこちらから

登壇者紹介

  • ソフトバンク株式会社 亀田 輝行 氏

<事例を紹介いただいたメディア:ソフトバンクニュース

  • 株式会社LIFULL プロダクトプランニング部 流通・売却ユニット プランニング2グループ 永田 正行 氏

<事例を紹介いただいたメディア:LIFULL HOME'S「よくわかる!不動産売却」

  • モデレーター:株式会社はてな 執行役員 コンテンツ本部長 大久保亮太

当日はトークテーマに沿ったセッションをそれぞれ展開。オウンドメディアの目的と役割を解説いただいた後は、オウンドメディアの成功を測る指標として、各企業がどのようなKPIを設定し、成果を評価しているのかをテーマにお話いただきました。

オウンドメディア運用で目指す指標は? KPIと成果について

各オウンドメディアのKPIを記載したもの(セミナー当日のスライドより)

ソフトバンクニュースのKPI:PV数・SNS流入・検索流入

ソフトバンクニュースの主要なKPIは、ページビュー(PV)数、またSNSや検索からの流入数を指標として見ているとのこと。

「PVをKPIにするのはどうなの? という話もあると思いますが、ソフトバンクニュースのゴールは、一言であらわすと『ソフトバンクのファンを増やす』こと。それを測るために、定常的な調査を実施する、といったこともしていましたが、正直コストもかかるし、外部要因で結果がブレやすいという問題があったんです。

そこで別の指標として考えてきた結果、もっと身近で毎日トラッキングできて、分かりやすい数値にしようと、PVを指標にすることにしました。ただ、単純にPVだけを見るのではなく、そのうちSNSや検索からの流入がどのくらいあったのか、という点も合わせて見るようにしています。

こうしたチャネルからの流入は、何かしらソフトバンクニュースの記事コンテンツに興味を持って自発的に見に来てくれる人が多いので、『ソフトバンクに関心がある人がどれだけいるか』を測る一つの指標として、分かりやすいのではないかと考えています」(亀田氏)

他にもプロジェクトやキャンペーンと連携した上でソフトバンクニュースを活用するケースも多く、その場合は個別のKPIを設定することもあると言います。セミナーでは、2つの事例を紹介いただきました。

PayPayのキャンペーン×ソフトバンクニュースでの連動

毎年、より多くの人にPayPayを利用してもらうためのキャンペーンを実施する中で、キャンペーンページへの流入数もKPIの一つとし、ソフトバンクニュースからの誘導を強化しているとのこと。

具体的には、キャンペーンの時期に合わせて、社員のスマホ決済利用状況に関するアンケートを実施。これをソフトバンクニュースのテーマとして活用しながら、より多くのユーザーに情報を届ける施策を行っていると亀田氏は説明します。

株式分割に伴う個人投資拡大を目指した取り組み

2024年の株式分割をきっかけに、個人投資家の拡大を目指す取り組みを開始。最終的なゴールは「個人投資家の増加」ですが、そのための第一歩として、認知拡大を目的としたコンテンツ制作の事例を紹介いただきました。

具体的には、特設ページの開設とともに、ソフトバンクニュースでも同テーマに関連した記事を複数配信し、特設ページへの誘導を促す設計にしています。

さらに、これらのコンテンツは公式SNSもフル活用して情報を発信。まさにソフトバンクのことを知ってもらうための取り組みとなっています。

公式SNSの活用については、ソフトバンクではX、Facebook、InstagramほかLINE公式アカウントを活用した情報発信も行っているとのこと。モデレーターの大久保から流入経路について聞くと「近年では検索からの流入と合わせてGoogle Discoverからの流入も増加している」と回答がありました。

「ソフトバンクニュースは2016年から運用を行っていますが、中でもここ5年間の流入経路の変化を見ると、その内訳は変化してきています。以前は検索からの流入が3割程度、LINEを含めたSNSからの流入が5割ほど、その他で2割といったものが、今は検索からの流入が5〜6割、次点でGoogle Discoverが続く形になってきています」(亀田氏)

LINE公式アカウントのトーク画面への配信は有料になるため、更新頻度は上げられないという課題はあるものの、配信をすれば一定のインパクトがあり、重視している流入経路なのだそう。

よくわかる!不動産売却のKPI:検索流入数と反響数

「よくわかる!不動産売却」では検索ボリュームが大きく、かつ反響に結びつきやすいキーワード、たとえば「マンション売却」といった検索ワードに関連する記事を作成することで流入と反響獲得数を増加させることが重要なKPIになっています。

永田氏は「メディアの立ち上げ自体は2022年8月ですが、本格的な運用開始は2023年2月頃から。まだ日が浅いメディアですが、運営していく中で、予想外に反響の大きい記事が出たり、確定申告シーズンに関連ワードが急上昇したりと、一時的なアクセスの山ができることもありました。特に1〜2月は『マンション売却×確定申告』などのキーワードが盛り上がる時期なので、一気に流入が増えることもある」と説明します。

また、これまでは幅広いキーワードをカバーする方針で進めてきましたが、今後はもう少し精度を上げて、「どのキーワードが本当にコンバージョンにつながっているのか」や、「検索ボリュームは小さくても反響率が高いワードはあるか」などをより細かく分析しながら運営していく予定だと言います。

運用を進める中で効果的だと感じた施策については、以下3つの共有がありました。

効果的だった施策

  • 競合媒体の分析記事(自社の優位性をユーザーに伝えるもの)
  • タイムリーな記事制作(ヒットドラマ「地面師たち」関連インタビュー)
  • はてなの「お題キャンペーン」による被リンク獲得(※効率の良い被リンク獲得でSEOにプラス効果)
  • 一つ目は、競合媒体(サービス)との比較・分析記事。競合媒体とLIFULL HOME'Sの不動産査定サービスを比較し、いい面も悪い面も伝えるようにしてユーザーの理解を深めてもらい、反響獲得につなげています。永田氏によると「これらの記事は決して検索ボリュームは多いわけではないのですが、反響率が高い傾向にあることが見えてきています」と振り返ります。

    二つ目は、タイムリーな記事コンテンツの制作。直近では動画配信サービスで公開され話題となった『地面師たち』の監修を担当した司法書士・長田修和氏によるインタビューコンテンツを公開しています。

    こうした「読み物」コンテンツは一見すると媒体の目的である検索流入、またそれに伴う反響獲得からは少し遠いようにも思えます。上記のようなタイムリーな記事コンテンツを行った背景についてモデレーターの大久保が聞くと「ニーズが顕在化する前の層へのアプローチ」を主目的としているとのこと。

    「メインは検索を意識したいわゆる『コンテンツSEO』の制作になりますが、反響獲得を意識した上で制作すると、どうしてもニーズが顕在化している人向けの内容が多くなってきてしまいます。

    ただ、それだけではなく潜在層にもリーチできるようなコンテンツも定期的に発信することも重要。メディアへの興味関心、認知を高めていくようなものも並行して出していくことで中長期的な関係性が築けるのでは、という狙いから制作しています。あと個人的に、さまざまなタイプの記事コンテンツを作っていきたい、というのもあります(笑)」(永田氏)

    そして三つ目には、はてなと共同で2024年6月に実施した「お題キャンペーン」の実施が挙げられました。


    特別お題キャンペーンとは?

    はてなが提供するブログサービス「はてなブログ」では、ブログ投稿の活性化を目的として、毎週執筆テーマを「今週のお題」として提供しています。 そのお題の内容を、一社独占でスポンサードする事ができる広告企画メニューです。

    企業ブランドに関わるブログ投稿をユーザーに募ることで、ユーザー自身の体験をもとにした自然な企業ブランディングが可能なユーザー参加型のタイアップ企画となっていて、お題キャンペーンに参加したユーザーのブログにはキャンペーン名・バナー・Sponsored表記が挿入される仕組みになっています。

    自然な形で参加企業やブランドの訴求ができるだけでなく、バナーから各サイトへの送客もできるほか、被リンク獲得によって検索エンジンからの評価を高める要因になったのでは、と永田氏は説明します。

    \お題キャンペーンの詳細を知りたい方はこちらから/


    約2年の運用を経て「全体的に見ると、売上も含めて右肩上がりに成長している」とのこと。「開設当初、メディア経由での反響発生による売上は月額数十万程度でしたが、現在ではある程度大きな規模の金額になっている」と永田氏は言います。

    「直近1年ほどは、売上がコストを上回る状態を維持できていて、これまでの投資も回収済み。今はしっかり利益を積み上げられるフェーズに入っています。利益が出ていることで、新たな投資もしやすくなったので、今後の事業展開にも柔軟に対応できる状況です。

    もし『メディア単体で事業化を進めてほしい』という話になった場合、現在の検索流入メインの戦略に加えて、新しい集客手段を考えていくことも視野に入れています。今後のさらなる成長に向けて、より多角的なアプローチを検討していく予定です」(永田氏)

    オウンドメディア運用において、生成AIをどう活用している?

    トークセッション最後のテーマは「運用の課題」について。ここでは近年注目されている生成AIの活用について意見が交わされました。

    亀田氏は「ソフトバンクニュースでも生成AIの活用を試み、試行錯誤している段階」と語った上で、実際に生成AIを活用した「量子コンピューター」についての解説記事事例について共有いただきました。

    「こちらの記事を執筆する際に、担当部門の方に量子コンピューターについて教えてもらったのですが、最初は全然理解できなかったんです。そこで『Perplexity』というAIツールを使いながら内容理解と整理をしていきました。

    要点を理解した上で執筆した原稿を担当部門にチェックしてもらったところほぼ修正なしでOKをもらって。こういった形で、現状では特に難しいテーマを取り扱う際には生成AIを部分的に活用しています。ただ、もっと上手に使えるようにしていきたいと思っています」(亀田氏)

    「よくわかる!不動産売却」では一部の定型記事を作成する際に生成AIを積極的に活用しているとのこと。

    「最近はブランドマンション*1が増えている中で、マンション名で検索したときに上位表示される記事コンテンツの制作を進めています。記事の構成としては、マンションのスペックを図表で見せるパターンと、文章で説明するパターンがあり、特に文章で紹介する部分についてはAIを活用しています。

    具体的には、『○○マンションの特徴を教えてください』といったプロンプトを入力し、AIに文章を生成させる形で活用しています。ただ、AIの出力内容は事実関係が100%正確とは限らないため、特に竣工年や戸数などのデータは最終的に目視でチェックしてから公開しています。

    とはいえ、少人数で運営しているメディアなので、記事のリード文などを大量に考えるのは負担が大きくなります。そういった簡単な文章を作成する際には、AIがかなり役立っていると感じています」(永田氏)

    ***

    トークセッション後、セミナー参加者からのQ&Aにも回答いただきました。ここでは、その一部をご紹介します。

    Q.(ソフトバンク様への質問)LINEを活用しているとのことですが、BtoBサービスでも有効でしょうか?

    A.ターゲット層によると思います。
    ソフトバンクでは主にコンシューマー向けの施策を展開しているため、BtoCのコミュニケーションが中心となっています。ただし、法人向けサービスを展開することもあるため、その際は一般ユーザーにも興味を持ってもらえるような情報を発信し、最終的に法人向けサービスの認知につなげるといった形で活用するケースがあります(ソフトバンク 亀田氏)

    Q.(LIFULL様への質問)オウンドメディアの「反響」はどのように計測されていますか?

    A. 記事を経由して最終的にフォーム入力が完了し、サンクスページに到達したユーザーの数をカウントしています。
    具体的な計測には、Amplitudeというツールを活用しています。また直接的なコンバージョンとは別に、「記事を読んだ後に一定期間内に査定を依頼した人」も別途カウントしています。社内の評価においても、間接効果を加味した数値が重要視されており、上長への評価指標の一つにもなっています。利益や売上と並んで、オウンドメディアによるユーザーへの影響力も評価される仕組みになっています。(LIFULL 永田氏)

    さいごに

    ご協力いただきましたソフトバンク株式会社 亀田様、株式会社LIFULL 永田様、ありがとうございました。

    今後も、オウンドメディアやコンテンツマーケティングに取り組む担当者様に向けた無料のセミナーを定期開催しています。本ビジネスブログで開催予定をご紹介してまいりますので、ぜひご覧ください。

    ▶最新のセミナー情報を見る

    また、はてなでは企業のコンテンツマーケティングを後押しするサービスを各種展開しています。

    「ソフトバンクニュース」「よくわかる!不動産売却」の運用にもご利用いただいている「はてなCMS*2」ほか、オウンドメディアのトータル支援サービス「はてな MediaSuite」を提供しています。

    はてなのコンテンツマーケティングサービスにご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。

    はてなのオウンドメディア支援について

    はてなでは、ブログサービスやメディア運営のノウハウを活かし多くの企業のオウンドメディア支援を行っております。オウンドメディアの計画から記事制作、システム、集客、分析まですべてをサポートいたします。オウンドメディア立ち上げをお考えの担当者様や、運営中でお悩みを抱えている担当者様は是非一度ご相談ください。


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    はてなが運営するオウンドメディア「ソレドコ」を事例にし、コンバージョン数や流入元といったデータを公開しながら、オウンドメディア運用の戦略や施策内容を紹介。

    オウンドメディアの成果にお悩みの方、オウンドメディアの戦略やコンテンツ設計にお悩みの方におすすめの内容です。(動画再生時間:約47分間)

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    *1:知名度の高い大手ディベロッパーが、ハイブランドシリーズとして売り出している高級マンションを指す

    *2:2025年2月、「はてなブログMedia」のブランドを刷新し、「はてなCMS」として提供開始しています。詳細はこちらのプレスリリースより

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