
株式会社HAPPY ANALYTICSの小川卓(
id:ryuka01)です。
自社で運用しているオウンドメディアは事業に貢献しているのか?
オウンドメディアの評価方法に関しては多様な考え方がありますし、そもそも「成果に直接貢献するものではなく、認知向上につながっている」などもあるかもしれません。
しかし、予算やリターンをまったく気にせずオウンドメディアを運営し続けるのは問題です。
また、ざっくり認知向上や満足度といっても、それを数値化することも必要なのではないでしょうか。個人のブログなのであればさておき、ビジネスとして実施している以上、何かしらの形で効果を計測する必要があります。
そこで今回はGoogle Analytics 4(GA4) を利用してどのようにオウンドメディアの評価を行うか? を改めて考えていきます。
改めて、オウンドメディアの直接効果とは
オウンドメディアを評価する際に話題になるのが、「直接効果」と「間接効果」です。ウェブマーケティング用語の意味合いとしては
- 直接効果:コンテンツを閲覧し、その訪問内にサイトのゴール(成果)にたどり着いた
- 間接効果:コンテンツを閲覧し、その後別の訪問時にサイトのゴール(成果)にたどり着いた
といったものがあり、図にすると以下のようになります。

「成果」となるものは商品の購入や資料請求、問い合わせなど成果はメディアによって異なりますが、直接効果は「コンテンツAが成果に直結している」というのがわかりやすいです。
一方で間接効果は、コンテンツAを見たその時は離脱したが、別の訪問で成果にたどり着いたことにより、コンテンツAが間接的に成果に影響を及ぼした(コンテンツAがなかったら成果にたどり着いていなかった可能性がある)と言えます。
直接効果はコンテンツを読んですぐに購入やコンバージョンしたくなるようなサイトに有効です。
主にEC系サイトがこれらに該当します。例えば便利なデジタルグッズを当該メディア上で知り、それをすぐに購入したという形ですね。こういった商材の場合は、直接効果でコンテンツの評価を見るのが良いでしょう。

ランディングページごとの流入回数、成果到達数、キーイベント率、収益などを確認でき、どのページが貢献したかがわかります。
オウンドメディアの間接効果とは
コンテンツを閲覧して、すぐに成果につながるコンテンツの場合は良いのですが、そうではない商材もたくさんあります。
BtoB系全般そうですし(同業他社との比較をおこなったり、社内で決済や許可をとったりするため時間がかかる)、高額な商品や周りと相談してから決める商品(旅行など)などは、訪問時にすぐコンバージョンしません。例えば「台湾の魅力10選」といったテーマの記事を読んだからといって、すぐにその場で台湾旅行を同じ訪問内で予約するようなケースは稀ではないでしょうか。
それでは、これらのコンテンツはどのように評価すればよいのでしょうか?
Google Analytics 4では「セグメント」機能を利用して、その評価を行えます。セグメント機能を使い、「成果にたどり着いたユーザー」をグルーピングして、その人が見たコンテンツの回数を確認します。
セグメントの設定例は以下の通りです。

ユーザーセグメントの「シーケンス」(発生したイベントの順番を指定できる機能)を利用し、
- ステップ1にオウンドメディア全体をカバーできるURL条件
- ステップ2に成果のイベント
を設定します。
なお「目覚ましアイコン」を押すことで、コンテンツを見てから、どれくらいの時間以内に成果にたどり着いたかを設定できます。
感覚値にはなりますが、「1日以内はコンテンツの影響受けていそうだけど、さすがに30日前だと忘れているのでは?」といった形で指定していただければ。

セグメントを作成したら、レポートを作成します。
探索レポートの「自由形式」で
- セグメントの比較:先ほど作成したセグメントを追加する
- 行:ページ ロケーション
- 列:アクティブユーザー
- フィルタ:オウンドメディアのURLを含む
という条件になります。

この方法で作成したレポートでは、ページロケーションにオウンドメディアのURLが並び、その隣に「該当コンテンツを見て成果にたどり着いたユーザー数」がわかります。
レポートを見ることで、どの記事が成果に貢献しているかランキングでわかります。また、間接効果「率」を見たい場合は、セグメントを反映せず、各ページのアクティブユーザー数と割り算をすることで率が高い記事を発見することができます。
成果が出ている記事への流入を増やす取り組みや、成果が出ていない記事のリライト、今後新しい記事を書く上でのトピックス探しに役立つのではないでしょうか。
成果が出ている記事に関しては、Google Search Consoleなども利用して、どういうキーワードで流入しているのか? SEOで見直せる部分がないかもあわせて考えてみましょう。
間接効果を成果以外で見るべきか?
サイトの規模が小さい場合や、検討期間が長い場合、オウンドメディアの効果は間接効果で見ても少ないかもしれません。その場合はオウンドメディアの訪問数を増やすために、集客の取り組みから始めるべきだとは思います。
とはいえ、間接効果が少なかったとしても、記事自体はユーザーにとって有益だったかを図る方法はあるのか?というと、いくつか計測できる指標はあるかと考えています。
Google Analytics 4で設定して取得できる計測項目の例をいくつか紹介します。
| 項目名 | 詳細 | 備考 |
|---|---|---|
| 再訪・継続利用 | 毎週訪れている、毎月訪れている、Xヶ月以上訪れている | 興味があって継続的に見にきており、関心が高い。セグメントを作成して計測 |
| コンテンツに対する評価 | 評価項目等があれば(この内容は役に立った?など)その数値を見る | 数は少ないがダイレクトに反応を見られる。ボタンをクリックした時にデータを取得するように設定する |
| ソーシャルボタン押下 | サイト内のソーシャルボタン押下数 | 何かしら感情を動かされ、他の人に共有しようと思った。ボタンをクリックした時にデータを取得するように設定する |
| 読了 | コンテンツを最後まで読んでいる | Google Tag Managerで設定をしてみる |
実装方法や記事を評価するための手法は以下の記事もあわせてご覧ください。
参考:集客の間接効果
今回はオウンドメディアのコンテンツに関する効果を確認する方法を紹介してきましたが、集客が成果にどう間接的に貢献しているかも考え方は一緒です。
初回の流入が広告で、2回目の流入が自然検索のときに初回の広告にも間接効果を割り当てたいケースがあるかと思います。
これら集客の効果を見たい場合は「広告>アトリビューション>アトリビューション モデル」を利用すると、GA4が機械学習を用いて成果の貢献を流入元ごとに分類したレポートを確認することができます。

初回流入の貢献を見たい場合はレポート>集客>ユーザー獲得のレポートを利用しましょう。
こちらのレポートではユーザーの初回流入元とコンバージョンの関係を確認することができます。

最後に
今回はGoogle Analytics 4でコンテンツの直接効果や間接効果を見る方法、そして考え方を紹介してきました。内容としてはGA4の画面上で一度設定してしまえば気軽に確認できます。
しかし、この方法も万能なわけではありません。
「複数コンテンツを見て成果にたどり着いた時に、それらのコンテンツを同一に評価してよいのか?」
「繰り返し同じコンテンツをユーザーが見ていた場合は重みづけが必要なのか?」
など、考えられる議論ポイントは沢山あります。
これらを解決したい場合はGA4のデータをBig Queryに出力して自分でルールを決めて集計をする必要があります。しかし、経験上、画面上での完全ではない方法でも、近しい傾向は出ます(どういったコンテンツが間接効果が高いかはわかる)。
▼関連記事
そのため、サイト改善を実現していくことを優先する場合は、あまり深く踏み込まなくても良いかなと思います。ぜひ、今回の考え方を参考にコンテンツを評価してみてください。
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今回、寄稿いただいた小川卓氏による過去の連載記事も合わせてご覧ください。また、Googleアナリティクス4のオンライン勉強会のレポートもご覧いただけます。
▼関連記事
勉強会の資料は以下よりダウンロードしていただけます。
参考資料なども含めてGA4の理解や移行に役立つ情報がまとまっています。ご希望の方は必要情報を記載の上お申し込みください。
Google Analytics 4解説資料ダウンロード
【資料サマリ】Google Analytics 4の概要/オウンドメディアで計測すべき5つの指標と設定方法/ユニバーサルアナリティクスと同様の設定をGA4で実現する方法(全66ページ)









