
株式会社HAPPY ANALYTICSの小川卓 (
id:ryuka01)です。
ChatGPTやGeminiで情報を調べる人、増えていませんか? 皆さん自身はどうですか?
私は以前は何か調べたいことがあればまずGoogleを開いていたのですが、最近は「ちょっと聞いてみよう」とChatGPTに質問することが格段に増えました。
このように検索行動が変化する中、オウンドメディア担当者として気になるのが「自社サイトにAI検索からどれくらい流入があるのか?」という点です。
2025年9月にはGoogleの「AIモード」が日本でも導入され、検索結果ページの上部にAIによる回答が表示されるようになりました。「AI Overviews(AIによる概要)」も含めて、検索のあり方が大きく変わりつつあります。
この影響について筆者もよく質問をいただきますが、正直なところ、現時点ではAI検索からの流入は全体の数%未満というサイトがほとんどです。しかし10年前を思い出すと、SNS流入を「まだ少ないから」と軽視していた結果、気付いたときには大きなチャネルになっていた——そんな経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、GA4を使って「AI検索からの流入」をどのように把握し、分析していくかを解説します。
- GA4で「AI検索流入」を確認する基本的な方法
- なぜ「AI検索」からの流入は少なく見えるのか
- おすすめ設定:カスタムチャネルグループでAI検索を分類する
- 応用編:Looker Studioでダッシュボードを作成する
- 変化に備えて「AI検索」を見える化する
GA4で「AI検索流入」を確認する基本的な方法
まずは、今すぐAI検索からの流入を確認できる基本的な方法からご紹介します。
GA4では、ChatGPTやGemini、Perplexityといった生成AIからの流入を「セッションの参照元 / メディア」で確認することができます。手順はシンプルです。
GA4にログインしたら、左メニューから「レポート」を選択し、「集客」の中にある「トラフィック獲得」をクリックします。デフォルトでは「セッションのデフォルトチャネルグループ」が表示されているので、これを「セッションの参照元 / メディア」に切り替えてください。

すると、具体的な流入元の一覧が表示されます。ここで検索窓に「chatgpt」や「perplexity」「gemini」と入力してください。
もしAI検索からの流入があれば、以下のような形で表示されるはずです。
- chatgpt.com / referral
- perplexity.ai / referral
- gemini.google.com / referral

AI検索からの流入が特徴的なのは、すべて「referral(参照)」として記録されている点です。通常の検索流入(google / organic など)とは異なる扱いになっています。
なぜ「AI検索」からの流入は少なく見えるのか
一つ注意点があります。皆さんのサイトのGA4で試してみると、「思ったより少ないな」という感想を持つ方が多いかもしれません。あるいは「そもそも1件も出てこない」という方もいらっしゃるでしょう。
実は、GA4で確認できるAI検索流入は、実際の流入数よりも少なく表示されている可能性があります。なぜかというと、AI検索からの流入の一部が「(direct) / (none)」つまり、「参照元不明」として記録されてしまうケースがあるからです。
ユーザーがあるサイトから別のサイトに移動する際、通常は「どこから来たか」という情報(リファラー)がブラウザからGA4に送信されます。ところが、AIサービスの中には、セキュリティやプライバシーの観点からこの情報を送信しない設計になっているものがあるのです。
例えば、ChatGPTなどのスマートフォンアプリ経由でリンクをタップした場合。アプリから外部サイトへ遷移する際は、リファラー情報が送信されないケースがほとんどです。
また、GoogleのAI OverviewsやAIモードからの流入も、一時期は「(direct) / (none)」として記録されていました。これはGoogleのリンク設定に起因するバグだったようで、修正が進められているとのことですが、完全に解消されたかどうかは判別が難しい状況です。

つまり、GA4で把握できるAI検索流入は「見えている部分」であり、実際にはもう少し多い可能性があるということです。
この前提を踏まえた上で、見えている数字をベースに分析していきましょう。
おすすめ設定:カスタムチャネルグループでAI検索を分類する
基本的な方法で説明したように、毎回フィルタで絞り込むのはちょっと面倒ですよね。
そこでおすすめなのが、GA4の「カスタムチャネルグループ」を使ってAI検索を独立したチャネルとして定義する方法です。チャネルグループとは、流入元を「検索」「広告」「SNS」などのカテゴリに分類して集計するためのGA4の仕組みです。
Googleの公式ヘルプでも、「AI Chatbot」というチャネルを作成する方法が紹介されるようになりました。一度設定してしまえば、レポートで簡単にAI検索流入を確認できるようになります。
設定手順は以下の通りです。
まず、GA4の管理画面を開き、左下の歯車マーク(管理)をクリックします。次に「データの表示」から「チャネルグループ」を選択してください。

「新しいチャネルグループの作成」をクリックし、チャネルグループ名を入力します(例:「カスタムチャネル_AI対応版」など)。
次に「新しいチャネルの追加」をクリックし、チャネル名を「AI Chatbot」と入力します。条件設定では「参照元」を選び、「正規表現に一致」を選択して、以下のような正規表現を入力します。
^.*chatgpt.*|.*perplexity.*|.*gemini.*|.*copilot.*|.*claude.*|.*openai.*$

この正規表現は、ChatGPT、Perplexity、Gemini、Copilot、Claudeなど、主要なAIサービスからの流入をまとめて「AI Chatbot」として分類するものです。
設定が完了したら、このカスタムチャネルグループを「メインのチャネルグループ」として設定することもできます。そうすると、標準レポートでもAI Chatbotが独立したチャネルとして表示されるようになります。
カスタムチャネルグループは過去のデータにもさかのぼって適用されるため、設定後すぐに過去の傾向も確認できます。
ただし、新しいAIサービスが登場した際には正規表現の更新が必要になります。定期的な見直しと合わせて、生成AIの動向もチェックするようにしましょう。
応用編:Looker Studioでダッシュボードを作成する
カスタムチャネルグループの設定ができたら、次のステップとしてLooker Studioでダッシュボードを作成しておくと便利です。
私がおすすめするのは、以下のような視点でグラフを作成することです。
まず、AI検索流入の推移を見る時系列グラフ。月別や週別でAI Chatbotからのセッション数をプロットすることで、増加傾向にあるのか、横ばいなのかが一目で分かります。
さらに、AIプラットフォーム別の内訳を見る棒グラフ。ChatGPT、Perplexity、Geminiなど、どのAIサービスからの流入が多いかを確認できます。

Looker Studioでは「計算フィールド」を使って、参照元に基づいた「AI / AI以外」の分類を独自に作成することも可能です。
CASE文を使えば、GA4側でカスタムチャネルグループを設定していなくても、Looker Studio上で同様の分類ができます。CASE文は条件分岐を行うための関数です。
コンバージョン数やコンバージョン率などもあわせてモニタリングしておくとよいでしょう。流入数が多い大規模サイトであれば、「生成AIから流入したユーザーが、他の流入元ユーザーと比べてどう行動が違うか?」などを確認するのにも役立ちます。
ダッシュボードを一度作っておけば、毎月の定例報告などでもサッと確認できるようになります。半年後、1年後にどう変化しているかを追えるようにしておくことが大切です。
変化に備えて「AI検索」を見える化する
今回は、GA4を使ってAI検索からの流入を把握・分析する方法をご紹介しました。
現時点でAI検索流入が全体の5%を超えているというサイトはまだ少数派でしょう。多くのサイトでは1〜5%程度、あるいはそれ以下という状況ではないでしょうか。
「それなら今すぐ対策しなくてもいいのでは?」と思われるかもしれません。ただ、私が今回お伝えしたかったのは「対策」というより「準備」の話です。
GoogleのAIモードやAI Overviewsが本格的に普及すれば、検索行動そのものが変わっていく可能性があります。そのとき、「そもそも自社サイトへのAI検索流入がどれくらいあるのか分からない」という状態では、適切な判断や施策を打てません。
まずは、GA4の参照元レポートで「chatgpt」や「perplexity」と検索してみてください。5分もあれば現状を確認できます。そして余裕があれば、カスタムチャネルグループの設定やLooker Studioでのダッシュボード作成にも挑戦してみましょう。
検索のあり方が変わりつつある今、「見える化」の準備を整えておくこと。それが、来たるべき変化に備える第一歩になるはずです。
▼AI時代のコンテンツ戦略についてはこちら
www.hatena.ne.jp
今回、寄稿いただいた小川卓氏による過去の連載記事も合わせてご覧ください。
また、Googleアナリティクス4のオンライン勉強会のレポートもご覧いただけます。
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Google アナリティクス4(GA4)の基本的な考え方や、はてなブログ管理画面での設定方法、オウンドメディア担当者が見るべきデータなどについて、ウェブアナリストの小川卓様に解説いただいています。具体的な活用方法もまとまっているので、GA4に興味はあるけれど使い方が分からない方にもおすすめの資料となっています。
ウェブアナリストとしてリクルート、サイバーエージェント、アマゾンジャパン等で勤務後、独立。複数社の役員、大学院の客員教授などを通じてウェブ解析の啓蒙・浸透に従事。株式会社HAPPY ANALYTICS代表取締役。
主な著書に『ウェブ分析論』『ウェブ分析レポーティング講座』『マンガでわかるウェブ分析』『Webサイト分析・改善の教科書』『あなたのアクセスはいつも誰かに見られている』『「やりたいこと」からパッと引ける Google アナリティクス 分析・改善のすべてがわかる本』など。
X:@ryuka01










