
オウンドメディア集客がうまくいかない。コンテンツを作っても、思うようにアクセスも成果も伸びない……。
企業のWebマーケティング担当者としてオウンドメディアを任された方の中には、そんな「成果の出ないループ」に陥っている方もいるでしょう。
この記事では、単なる施策の紹介ではなく、成果に直結する「戦略的なチャネル連携」という考え方を軸に、すぐ実践できる具体的なシナリオを5つ厳選して解説します。今抱えている課題を乗り越えるための、明確なアクションプランが手に入ります。
- 【結論】これからのオウンドメディア集客は「戦略的チャネル連携」で決まる
- オウンドメディア集客が失敗する原因2つ
- 【実践】集客効果を最大化する戦略的チャネル連携シナリオ5選
- シナリオ①:SEO × ホワイトペーパー
- シナリオ②:インフルエンサー × SNS × オウンドメディア
- シナリオ③:広告 × ウェビナー × オウンドメディア × メルマガ
- シナリオ④:オウンドメディア × Google Discover × 専門家
- シナリオ⑤:オウンドメディア × はてなネイティブ広告
- 戦略的オウンドメディア運営を阻む「4つの壁」
【結論】これからのオウンドメディア集客は「戦略的チャネル連携」で決まる

結論からお伝えすると、これからのオウンドメディア集客で成功を収めるための鍵は「戦略的チャネル連携」にあります。
SEO、SNS、広告、メルマガといった個別の施策をバラバラに実行するのではなく、互いに連携させて相乗効果を生み出す視点が不可欠です。
「質の高い記事」は当たり前。集客成功の鍵は「届け方」の戦略
近年、AI技術の進化は目覚ましく、誰でも一定水準の文章を効率的に作成できる時代になりました。これにより、「質の高い記事を作ること」そのもののハードルは下がり、コンテンツの「質」だけで競合と差別化を図ることは困難になっています。
もちろん、読者にとって価値のあるコンテンツが大前提であることは言うまでもありません。しかし、これからはその質の高いコンテンツを「誰に」「どう届けるか」という、「届け方」の戦略が成功を大きく左右します。
SEO対策をして検索流入を待つだけ、SNSアカウントでただ発信するだけ、といった単発の施策、いわば「点」の施策で終わらせていては、大きな成果は望めません。それぞれのチャネルの特性を理解し、顧客との接点を「線」でつなぎ、最終的には「面」となってビジネスを支える。そんな戦略的な視点を持つことが、求められているのです。
オウンドメディア集客が失敗する原因2つ

多くの企業が時間とコストをかけてオウンドメディアを運営しているにもかかわらず、なぜか成果に結びつかないケースは少なくありません。その背景には、大きく分けて2つの共通した原因が潜んでいます。
原因①「チャネルの分断」による機会損失
一つ目の原因は、各集客チャネルが「分断」されていることです。
Webサイトの担当チーム、SNSの運用チーム、広告出稿チームといったように、チャネルごとに担当部署が分かれ、それぞれが独立して動いているケースは珍しくありません。特に企業の規模が大きくなるほど、この縦割り構造は顕著になり、部署間の情報共有やコンテンツのトンマナの統一が難しくなります。
この状態では、せっかく各チャネルで集めた顧客情報をそれぞれの部署内だけで管理してしまい、次のアクションへとつなげるフォローアップができません。例えば、広告経由で獲得した見込み顧客リストがメルマガ担当に共有されず、有益なコンテンツを届けられないといった事態です。
さらに、近年のAIはWebサイトの内容だけでなく、SNS上での言及なども含めて総合的に企業やブランドを評価する傾向にあります。各チャネルで発信するメッセージに一貫性がないと、この評価にも影響しかねません。このように、チャネル間の分断は、担当者が気づかないうちに大きな機会損失を生み出しています。
原因②「検索ルールの変化」への未対応
二つ目の原因は、Google検索をはじめとする「検索ルールの変化」に対応できていないことです。
2025年現在、Googleの「AI Overviews」のように、検索結果にAIが生成した要約を表示する機能が一般化しつつあります。
これにより、ユーザーが抱く簡単な疑問は、検索結果画面のAIによる回答だけで解決してしまうことが増えました。 その結果、Web上の情報を単にまとめただけの二次的なコンテンツはAIに要約されるだけで、ユーザーがサイトへ直接アクセスする機会は減少していく可能性があります。
一方で、このような変化は、企業独自の調査データや顧客へのインタビュー記事、専門的なノウハウといった「一次情報」の価値を相対的に高めています。 ユーザーは、まずAIが生成した回答で基礎知識を得た上で、より信頼できる情報や深い洞察を求め、AIが参照した「引用元」のサイトを訪れる、という行動を取るようになるからです。
この大きな変化の波に対応できなければ、たとえ良質なコンテンツを作ったとしても、ユーザーの目に触れる機会すら失いかねません。
【実践】集客効果を最大化する戦略的チャネル連携シナリオ5選
ここからは、「チャネルの分断」と「検索ルールの変化」という課題を乗り越え、集客効果を最大化するための具体的な連携シナリオを5つご紹介します。 自社の状況や目的に合わせて、すぐに検討できるものばかりです。
| シナリオ | ターゲット | こんな課題を抱えているときに |
|---|---|---|
| ① SEO × ホワイトペーパー | BtoB | アクセスはあるが、リード獲得につながらない |
| ② インフルエンサー × SNS × オウンドメディア | BtoB / BtoC | 自社発信だけでは、情報の信頼性や拡散力に欠ける |
| ③ 広告 × ウェビナー × オウンドメディア × メルマガ | BtoB(高単価BtoC) | リードは獲得できるが、その後の商談化率が低い |
| ④ オウンドメディア × Google Discover × 専門家 | BtoB / BtoC(潜在層) | 新たな顧客との接点を増やし、認知を拡大したい |
| ⑤ オウンドメディア × はてなネイティブ広告 | BtoB / BtoC | 立ち上げ初期で、短期的にアクセスを確保したい |
シナリオ①:SEO × ホワイトペーパー
- ターゲット:主にBtoB向け
- 課題:コンテンツへのアクセスはあるものの、具体的な見込み顧客(リード)の獲得につながらない
- 目的:課題解決の情報を探している潜在顧客を捉え、具体的な見込み顧客(リード)へと転換する
これは、BtoB企業において特に有効な、リード獲得の王道シナリオです。まず、ターゲット顧客が業務で抱える課題を解決するために検索するであろうキーワードを想定します。そのキーワードで上位表示を狙うための、課題解決策やノウハウを解説する質の高い記事をオウンドメディアに複数用意します。
そして、記事を読んだユーザーに対し、記事の末尾や途中に「より詳しい解説資料はこちら」「業界別の導入事例集を無料ダウンロード」といった形で、ホワイトペーパー(お役立ち資料)のダウンロードへ誘導する導線を設置します。
ユーザーは、より詳細な情報を得るために、フォームに企業名や役職、連絡先などを入力します。これにより、単なるサイト訪問者だった潜在顧客が、具体的な情報を持つリードへと転換するのです。 SEOで集めたユーザーの興味関心を、ホワイトペーパーという形で刈り取る、非常に効果的な連携です。
シナリオ②:インフルエンサー × SNS × オウンドメディア
- ターゲット: BtoB / BtoC両方向け
- 課題: 自社の発信だけでは情報の信頼性や拡散力が不足しており、新しい顧客層にリーチできていない
- 目的: 一方的な情報発信から脱却し、第三者の権威性で信頼と拡散力を獲得する
自社だけで情報発信を続けていると、どうしても「手前味噌」な印象を与えてしまいがちです。そこで有効なのが、第三者の力を借りるこのシナリオです。まず、自社の業界で影響力と信頼性を持つ専門家やインフルエンサーを探し、対談やインタビューを企画します。
その内容をオウンドメディアで詳細な記事として公開し、公開と同時に、自社とインフルエンサー双方のSNSアカウント(XやInstagram、Facebookなど)で告知・拡散を行います。
この手法の強みは、インフルエンサーが持つ「権威性」と「拡散力」を同時に活用できる点です。第三者の客観的な視点から語られることで情報の信頼性が高まるだけでなく、インフルエンサーのフォロワーという、これまで自社だけではリーチできなかった新たな顧客層へ情報を届けることが可能になります。
シナリオ③:広告 × ウェビナー × オウンドメディア × メルマガ
- ターゲット: 主にBtoB向け(高単価のBtoCでも有効)
- 課題: 見込み顧客は獲得できるが、その後の育成がうまくいかず、商談化率が低い
- 目的: リード獲得から育成(ナーチャリング)までを自動化し、商談化率を最大化する
このシナリオは、見込み顧客を獲得してから、時間をかけて関係性を構築し、購買意欲を高めていく「リードナーチャリング」の仕組みを構築するものです。
まず、専門的なテーマのウェビナー開催や、課題解決に役立つホワイトペーパーをフックにWeb広告を出稿します。ウェビナーへの参加や資料のダウンロードと引き換えに、メールアドレスを取得し、メルマガへの登録を促します。その後、顧客のアクションに応じて、最適な情報を提供していきます。
例えば、ウェビナー参加者には内容をより深く理解してもらうための関連記事を、残念ながら参加できなかった人にはアーカイブ動画や当日の内容をまとめたレポート記事を、オウンドメディア上で案内します。
このように、メルマガを通じて顧客の状況や検討度合いに合わせた有益なコンテンツを継続的に提供することで、信頼関係を築き、最も適切なタイミングでの商談化を目指すことができます。
シナリオ④:オウンドメディア × Google Discover × 専門家
- ターゲット: BtoB / BtoC両方向け(潜在層)
- 課題: 検索流入に依存しており、新たな流入経路を確立してブランドの認知度を拡大したい
- 目的: Google Discoverを活用し、検索行動を起こしていない潜在層との新たな出会いを生み出す
Google Discoverは、ユーザーが検索行動を起こさなくても、Googleがその人の興味関心に合わせておすすめの記事を提示してくれる機能です。SEO(検索流入)とは異なるトラフィック源として注目されています。
このGoogle Discoverに掲載されるためには、コンテンツの品質が非常に重要であり、特にGoogleが掲げるE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)という基準を満たすことが求められます。そこで有効なのが、その分野の専門家に記事を監修してもらう、あるいは共同でコンテンツを作成することです。
専門家の知見が加わることで、ユーザーにとってより有益で関心度の高い一次情報となり、コンテンツの質が向上します。これにより、Googleからの評価も高まり、Discoverに掲載される可能性が上がります。 潜在層との思わぬ接点を生み出し、ブランド認知を拡大するための強力な一手となり得ます。
シナリオ⑤:オウンドメディア × はてなネイティブ広告
- ターゲット:BtoB / BtoC両方向け
- 課題:オウンドメディア立ち上げ初期など、SEOの効果が出るまでのアクセスを確保したい
- 目的:短期間で質の高いアクセスを獲得し、コンテンツの価値を早期にユーザーへ届ける
オウンドメディアは、SEOで評価され安定したアクセスを得るまでに、一般的に半年から1年ほどの時間がかかります。このシナリオは、その立ち上がり期間を乗り越え、初期の起爆剤として活用できる手法です。
はてなが提供する「はてなネイティブ広告」は、日本最大級のソーシャルブックマークサービス「はてなブックマーク」などに、コンテンツを自然な形で掲載できるサービスです。 一般的なバナー広告とは異なり、ユーザーの閲覧体験を妨げない広告感の少ないフォーマットで、リンク先も有益なコンテンツページに限定されるため、広告を敬遠しがちなユーザーにも自然に受け入れられやすいという特長があります。
第三者であるコミュニティの力を借りることで、コンテンツの信頼性を高め、オーガニックな拡散を生み出すきっかけにもなります。SEO効果を待つだけでなく、能動的にコンテンツを届けたい場合に非常に有効な連携です。
▼はてなネイティブ広告について詳しくはこちら
www.hatena.ne.jp
戦略的オウンドメディア運営を阻む「4つの壁」
前章で紹介したような戦略的なチャネル連携を実行し、オウンドメディア運営を成功に導くためには、乗り越えるべき「4つの壁」が存在します。

①専門知識の壁
オウンドメディアを戦略的に運営するには、単に記事を書くスキルだけでは不十分です。SEO/AIO(AI検索最適化)の知識、Web広告の運用ノウハウ、各SNSのアルゴリズム理解、データ分析スキルなど、広範かつ深い専門知識が不可欠です。
これら全てのスキルセットを高いレベルで兼ね備えた人材を、社内だけで確保し、育成するのは極めて困難と言えるでしょう。
②品質の壁
AI時代に突入し、情報の価値が問い直される今、オウンドメディアで発信するコンテンツには「一次情報」であることが強く求められます。独自の調査データ、顧客への詳細な導入事例、社内の専門家だけが持つニッチなノウハウなど、自社にしか発信できない情報こそがコンテンツの価値の源泉となります。
しかし、社内に存在するこれらの価値ある情報を発掘し、読者に響く高品質なコンテンツとして安定的に制作し続ける体制を構築するのは難易度が高いのが現実です。
③リソースの壁
戦略立案からキーワード調査、コンテンツ企画、制作ディレクション、効果測定、そして改善施策の実行まで、オウンドメディア運営に関わる業務は多岐にわたります。 これらを他の通常業務と兼任している担当者の場合、どうしてもリソースが不足しがちです。
結果として、戦略的な活動に時間を割けず、日々のコンテンツ更新作業だけで手一杯になってしまうケースもあります。
④継続性の壁
オウンドメディアは、成果が出るまでに短くても半年、長ければ1年以上を要する中長期的な施策です。 しかし、多くの企業では四半期ごとなど、短期的なROI(投資対効果)が求められがちです。
成果が見えにくい初期段階で、施策の重要性や将来的な価値を社内に示し、理解を得るのは簡単ではありません。 十分な実績や根拠を示せないと、戦略が軌道に乗る前に施策が頓挫してしまうリスクもはらんでいます。
これらの「4つの壁」は、どれか一つでも存在すると、オウンドメディア運営の歯車を狂わせてしまいます。
オウンドメディアの集客なら、はてなにお任せください!
ここまで解説してきたように、これからのオウンドメディア集客を成功させるには、「戦略的チャネル連携」の視点と、それを実行する上で立ちはだかる「4つの壁」を乗り越えるための体制が不可欠です。
「専門知識もリソースも足りない……」
「社内にある価値をどうコンテンツにすればいいか分からない……」
「中長期的な視点で伴走してくれるパートナーが欲しい……」
もし、このような課題を感じているなら、ぜひ一度、はてなにご相談ください。
はてなは単なる制作会社ではありません。企業の事業課題に寄り添い、成功まで伴走する「オウンドメディアの戦略パートナー」として、運営をワンストップで支援します。
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- リソースと継続性の壁を解消する一気通貫の支援
- 戦略立案からコンテンツ制作、効果測定、改善提案までを一気通貫で支援。 担当者さまの負担を軽減し、中長期的な視点で成果創出にコミットします
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Web:オウンドメディア戦略ラボ








