題材「近年日本で所得分配が不平等さが増しているという報告がある理由を述べよ」
日本はしばしば平等社会だといわれてきた。ところが、最近では平等社会という考え方に対する疑問を呈する人も出てきた。実際、所得格差に対する関心は高まっている。
国際的にみて日本は本当に不平等な国なのか②日本が不平等化しているのは本当か③不平等化しているとすればそれはなぜか 不平等に対する関心の高まりは、格差拡大に対する人々の実感を背景にしていると考えられる。例えば、バブル期にみられた資産格差拡大や金融業を中心とした賃金所得の高まりが、人々に格差拡大を実感させたかもしれない。
また、多くの日本企業で賃金制度を年功的制度から業績主義へ移行する動きがみられる。正社員を少なくして、パートや派遣社員への代替も進んでいる。その両者の賃金格差が格差拡大を実感させているとも考えられる。
本の所得不平等度は、80年代、90年代を通じ、上昇してきている。この不平等度の高まりは何が原因であろうか。個々人についての賃金格差と、世帯全体の所得格差とを区別しながら検討しよう。
不平等の拡大は、バブルのために資産格差が開いたことが原因であろうか。産業間賃金格差が開いたためであろうか。年俸制や業績主義的賃金が導入されたことが理由であろうか。
この中で、資産格差に要因を求めるのは無理がある。バブル崩壊で資産格差は縮小傾向にあるからだ。産業間賃金格差は、バブル時代に金融業の賃金があがったことで格差は拡大したが、最近は金融業の賃金が逆に低がり、格差は縮小している。
年俸制はどうか。個別企業レベルでは、格差拡大につながった例が多いかもしれない。後に検討するように、大卒男性で40歳以上の年齢層に限れば、賃金格差の拡大は見られるが、学歴合計でみれば、年齢内賃金格差は、実に安定しているのである。
では、なぜ人々の不平等に関する関心が高いのだろうか。経済企画庁が実施した1999年『国民生活選好度調査』では、「所得・収入に関して、その格差が10年前と比べて拡大したと思うか否か」という質問がなされている。ここで、全体では38%の人が格差が拡大したと答えている。一方で「変化していない」「縮小した」という回答も多い。
格差が拡大したという回答が最も多いのは、30歳代と40歳代である。しかも、所得が高い層ほど格差拡大を感じている。
学歴計で年齢内賃金格差を検討したときには、格差拡大は示されなかった。それでは、学歴別にみるとどうであろうか。
高学歴化で大学への進学率が高まり、大卒ホワイトカラーの中でも人材のばらつきが大きくなったことが、大卒中高年の賃金格差の拡大をもたらしている、といえそうである。一方、高卒男性の年齢内賃金格差がほとんどの年齢階層で低下しているという事実がある。すなわち、大卒中高年への業績主義的な賃金体系の導入は、人材のばらつきの変化を反映している可能性が高いと考えられるのである。
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バブル崩壊後、同じ仕事をしていながら、正社員よりも賃金の安いパート社員を雇おうとする企業の動きが増えているので。
まだ男女間の賃金格差も大きい。
ありがとうございます。できれば文章長めに書いていただきたいです。
毎回返事ありがとうございます。できればもっと詳しく長くコメントいただくことはできないでしょうか?また所得分配について説明がないと思うのですが、