カルティエ=ブレッソンのことは、しばしば“ブレッソン”と呼びます。
このような西欧人名の慣用に、由来や法則があるのでしょうか?
Saint-Saens,Charles Camille サン=サーンス
18351009 France Algeria 19211216 86 /作曲
Cartier-Bresson,Henri カルティエ=ブレッソン
19080822 France 20040802 95 /写真“決定的瞬間”
── 《ハイフン=イコール紳士録 〜 外国人名表記 〜》
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19080822
(↓)つぎの質問から(↑)約80人のリストを作りました。
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?qid=1713819
西洋に限らず、外国の人名は日本の伝統的な慣用を用い、慣用がない場合は現地の原音を適用するというのが原則であり、これは名前の呼び方・略し方にも適用できるかと思います。
しかしながら、サン=サーンスとカルティエ=ブレッソンの件では、同じ「ハイフン=イコール」でつながれた名前であっても、「ハイフン=イコール」の果たしている役割が違うので、結果として略し方の差につながったのだろうと思います。
結論から申し上げれば、サン=サーンスのハイフン(イコール)は「サン=サーンス」で一かたまりの語であることを示しているのに対し、カルティエ=ブレッソンのハイフン(イコール)は「カルティエ」と「ブレッソン」の2つの姓が結合してできた2重姓であることを表しています。
http://saint.saens.monsite.wanadoo.fr/
saint.saens
SAINT-SAENSは日本語に訳せば恐らく「聖サーンス」で、SAINTと名前の頭につけることによってサーンスが聖人であることを表し、ただの人とは違った存在であることを明らかにしています。フランスではこの意識が強いのか、聖人の名前をSaint-Jacques、St-Jeanなどとハイフンでつなぎ、一語として扱うことが多いです。ゆえに、日本でもそれを尊重してサンを省かないのではないでしょうか。
#サンは短いから省略しないだけ、というせんも考えられますが……。
http://blogs.dion.ne.jp/duke/archives/1106889.html
東ブログブルク公国:二重姓
二重姓(double-barrelled name)とは二つの家(特に旧家同士)が婚姻によって合併したり、養子縁組を行ったりする際に2つの姓をハイフンでつないで一つにすることをいいます。最近では夫婦の通称の姓として用いることもあります。
二重姓は長くなることが多いので、ブレッソンのように省略して片方だけを通称の姓として使うケースもよくあるようです。
とても明快で、理路整然とした模範回答をいただいたので、わたしも
気の利いたコメントを書こうと思いながら、ついつい日々が過ぎました。
↓そこで、つぎの質問【優良回答者に幸あれ!】に推薦しました。
http://www.hatena.ne.jp/1131113370
専門家には分りきったことも、ときに門外漢には納得できないのです。
《岩波西洋人名辞典(増補版)19811210 岩波書店》の凡例を読むと、
なんだか(くわしい説明を)避けているように見えます。
今回の“ハイフン≠イコール”を参考に、“Saint≠Sans=without”
など、他にも気になっていたことなども、いつかコラムにまとめたいと
思っています。再質問の折には、ぜひまたご教示ください。