女子美術大学短期大学部の導入事例

女子美術大学短期大学部

1950年に設置された、日本最古の美術系短大の一つ。東京都杉並区にキャンパスを置き、造形学科美術コース、造形学科デザインコースが設けられている。併設の女子美術大学とともに「女子美」の名で知られる。

Webデザインの授業ではてなダイアリーをお使いいただいている、女子美術大学短期大学部の大岡先生にお話を伺いました。

女子美術大学短期大学部 大岡寛典先生

大岡寛典 先生

1971年生まれ。96年よりフリーランスとなり、大岡寛典事務所設立。グラフィック・デザイナー、アートディレクターとして、ブックデザインをメインにイベントや展覧会のアートディレクション、パッケージデザイン等を手掛ける。女子美術大学短期大学部デザインコース情報メディア研究室 非常勤講師。

ブログ:大岡寛典事務所note

授業で導入しているサービス

  • 写真・画像・動画付き日記を無料で。ケータイやスマートフォンにも対応
  • 写真や動画をアップロードできる、総容量が無制限のウェブアルバムサービス
  • お気に入りのサイトやよく見るページの更新を自動でチェックしてくれるサービス

Webデザイナーにとってのネットリテラシーを教える

短大の2年生を対象に、Webデザイン実習の授業ではてなダイアリーを使っています。通常のWebデザイン実習ではWebサイト制作のプロセスや、Webサイト作成ソフト「Dreamweaver」の使い方を主に教えるんだと思います。 しかし1年間ではなく半期/週1回の授業なので合計12回くらいしかないので、プランニング~コーディングまで多岐に渡るウェブデザインの仕事を教えるとなると、一通りさわりを教えるだけであっという間に授業期間が終わってしまいます。 当然、ほかの課題でも授業外で制作をしていかなくてはならない。加えてウェブデザインを取り巻く状況は毎年刻々と変わっていますよね。個人サイトレベルで必要だった用途は既に様々なウェブサービスで実現されてしまっているし、テーブルやフレームを使っていた数年前の個人サイト作成スキルを今教えてもそんなに意味はない。分業化も進んでいる。かといって即戦力になるようなCSSのコーディングだけを教えていればいいかというと大学の授業としてはそれも違うと思うのです。


大岡先生の作業環境。
デザインツールの他にFirefoxアドオンの「Firebug」、iChat、Twitterクライアントなどを活用している。

自分が授業を担当することになった時に Webデザインに限らず、デザインの制作過程においてインターネットをどのように使うと、自分のクリエイティブとうまく結びつけられるか、というような「デザイナーにとってのインターネット・リテラシー」をどう身に付けていくかを教えていかなければならないと考えました。そのためのツールのひとつとして、はてなダイアリーを使っています。

興味があることをブログでクリッピング

まず授業の一番最初に「はてな」のアカウントをとってもらって、ウェブに限らず、面白かった事や気になった事を「はてなダイアリー」を使って普段からクリッピングするクセをつけるよう薦めています。点の興味を線に繋げるトレーニングですね。授業が始まる前に、僕が学生全員のブログをざっと全部読んでチェックして、興味が広がりそうな関連サイトを紹介したり、それを授業にフィードバックさせていく、というのを半期の間続けています。

学生のインターネットの使いこなし方に個人差がある点、それと女子大であるという点からも、 インターネットに個人情報を晒すリスクや、気をつけなければならないポイント、公開設定などを順序立てて教えて、実名は出さないように指導しています。授業を始めた一番最初の年は、授業に参加している学生のはてなIDのみを閲覧許可ユーザーに指定してプライベートモードでやっていたんですが、3年目、4年目になってくると普段からブログサービスを使う学生が増えてきていたのと、 SNSがポピュラーになったので、そことの使い分けを覚えるためにも今は公開を推奨しています。自分で判断して決める事、エントリーに書いて公開した事にはリスクと責任がある事も、実際の事例を紹介しながら教えています。

授業で使うブログとして一番違和感がない

授業で使うブログサービスとして選んだのは、最初からはてなダイアリーでした。僕が授業を受け持った当時の担当助手だった田中孝太郎先生と相談して決めました。授業で使う上で一番違和感がなかったです。デザインのテーマもシンプルなものも多く、アカデミックな感じがしますね。

エントリーのカテゴリタグ付けや、プライバシー設定までこと細かに教えていたので「このままだとWebデザイン基礎じゃなくて『はてなダイアリー基礎』になっちゃうね…」なんて言いながら。今も同僚なので、授業で導入するWebサービスの選択に関しては「こんなの取り入れてはどうだろう?」と相談に乗ってもらっています。





田中孝太郎先生
プログラマー、インタラクションデザイナー、女子美術大学短期大学部非常勤講師。ゲーム批評サイト「dotimpact」を運営していた。現在のサイトは「collisions.doppac.cc」。

はてなのエピソードとしては、2005年にGoogle マップのAPIが公開されたら速攻ではてなマップがリリースされて、「このスピード感すごい!」って思ったんですね。はてなはAPIを意識して作るサービスに関して先駆者的なところがあって「はてラボ」で開発中のウェブサービスの未来像を垣間見る事ができたりします。 サービスが開発されて、それがAPIで公開されていて、僕らもその恩恵をいろいろな形で受けてるのがリアルタイムにわかる。 授業で使うならはてながいいと思ったのはこういったアーキテクチャが面白いという部分もあります。

「はてなマップ」
Google Maps APIをいち早く取り入れ、はてなフォトライフやはてなキーワードなどのコンテンツを地図上にマッピングできたはてなのサービス。2008年3月末日に提供を終了。

過去の学生にも今の学生にも見せるつもりでブログを書く

学生ははてなダイアリーを「授業ログ」のような感じで書いていることが多いですね。授業で言ったことや取り上げたウェブサイトをメモしてます。 僕は何も説明していないんですが、 ホワイトボードに図説したものを、お絵かき機能を使って書き写す、とか。そういう授業エントリーを帰宅してからざっと読み返してみると、「ここが伝わってなかったな、説明が足りてなかったな」というような事がわかりますね。ほかにも授業を休んでしまった学生が他の子のブログ読んでキャッチアップしたり、という部分でも機能しているかな。

自分のブログでは、気になった展覧会やイベント、書籍、デザインニュースや公募など「今これを見ておいた方がいいよ」 というものを選んで紹介しています。授業の最初に自分のブログははてなアンテナに登録するなりして常にチェックしておいてね、と話をしているので、自分のエントリーは過去に受講してくれた学生に対しても継続して見せるつもりで書いてます。 今も見てくれているかどうかはわかりませんが。

授業が終わった後もそのままブログを続ける学生は少ないのですが、中にはブログをずっと書いていく人もいます。自己表現としてのテキストを書くのが好きな人たちが、はてなを使い続けている気がしますね。

大岡寛典事務所note
大岡先生のブログ「大岡寛典事務所note」。学生に勧めるイベントや展覧会、デザイン関連の本などが紹介されている。

学生のうちからいろいろなサービスに触れる

はてなの場合、トータルのソリューションとして、ブログも書けるし、アルバムも作れるし、RSSリーダーもソーシャルブックマークもあって、選択枝が豊富ですよね。他のブログサービスでは、そこのサービスだけにかちっとはまってしまうんですが、はてなでは1つのサービスを起点として、そこから先の応用は各自やってみたらいいんじゃない、こういうのもあるよ、というように薦めやすいですね。その中でどれを選んで使い分けるかが重要なんですが、そこは各自の判断に任せています。

今年度は Twitter、はてなダイアリー、BCCKS、 Tumblr、 Google等のサービスを授業で使おうと思っています。生徒が使うFirefoxにもFirebugやGreasemonkeyなどの拡張機能入れ、なるべく自分の仕事環境に近くしてもらっています。

授業ではいろいろなことを同時にやらせてみたいんです。 手始めにTwitter のアカウントをとらせて呟かせながら授業してます。 自分の普段の仕事環境もMLで打ち合わせしながらTwitterを開いてタイムラインを追いつつ、たまにRSS読んで…という感じなので、作業としては非効率かもしれませんが(笑) それに近いようなことをやってみて、授業と授業外をゆるく繋げてやってみようかと考えてます。 新しいウェブ・サービスがどうして生まれてきて、なぜ今、受け入れられているのか、というのは実際使ってみないとわからない。そういう情報や環境に学生のうちから敏感になってほしいし、どうやって活用しながら仕事しているかという僕なりの現場の感覚を伝えたいですね。

教育機関コンテンツに関するお問い合わせ 事例をお寄せください

教育の現場ではてなを利用されている方は、hatenapr@hatena.ne.jpまで利用事例をお寄せください。
今後のサービス開発などの参考とさせていただきます。
●はてなダイアリー、その他はてなのサービスの使い方に関してのお問い合わせは、ヘルプ・お問い合わせよりお願いいたします。

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