あるとき、東京知事が次のように宣言しました。
「今後は東日本では、円のかわりに東京円を、西日本では大阪円を利用するものとする。
そして交換レートは、東京円1円=大阪円10円とする。
東日本の銀行では、10大阪円を持ってきたら、いつでも1東京円と交換する(逆は不可)」
それを聞いた大阪知事が怒りました。
「なんやて! そんなアホな話、聞いたことあらへん。なんで東京円なんかに負けなあきまへんのや。
よっしゃ、西日本の銀行では、10東京円を持ってきたら、いつでも1大阪円と交換したるでぇー(逆はアカン)」
さて、もしこのような事態が「本当に」発生したら、「現実には」何が起こるのか、
経済学に詳しい方、根拠とともに教えていただけないでしょうか。
素人の推測を聞きたいわけではありません。
昔どこかの本で読んだのですが、本の答え(東京円と大阪円の間に、まったく交流がなくなってしまうに違いない)には、
いまいち納得できなかったので質問しました。
これはいわゆる「不可逆的な為替レート」と呼ばれるものですね。海外為替相場に対して、東京円と大阪円のどちらが「強い」かによって、結果は変わってきます。
仮に西日本の経済力が海外為替市場で認められ、大阪円が強い、とした場合の西日本側の視点で考えてみましょう。
極端な大阪円高・東京円安なので、東日本への輸出高が減少し、東日本からの輸入高が増大します。投資家レベルでは「大阪円建てでの東日本への直接投資」が増大するでしょう。(参考:URL)
消費者レベルでは、東日本人と、東日本に旅行する西日本人との間で、ヤミ交換レートもあるでしょうが、物々交換による代理的貨幣レートが出来上がるでしょう。
この状況は、旧ソ連ルーブルと西側通貨との関係に似ています。旧ソ連体制下では、ソ連国内での公式レートは1ルーブル=230~240円ぐらいでしたが、西側での1ルーブルは紙同然の価値でした。ソ連への旅行者は、ソ連国内での買い物に必要な最低限の貨幣を公式レートで交換する一方で、例えば「マールボロ1箱=2ルーブルぐらい」のレートでタクシーに乗ることができました。
大阪円が強ければ、東日本は大阪円(=外貨)獲得に必死になるでしょう。「交換レートは・・・とする」と決めている時点で、それは「固定相場制」なので、ヤミレートは違法です。合法的に「徐々に戻る」ことはあり得ないでしょう。東日本は、旧東側国家のような経済体制となることでしょう。
特に経済学に詳しい訳ではない素人ですが、箱根の関を超えたら貨幣価値が10分の1になってしまうのに誰が好き好んでそんなことするのかって話じゃないですか。特に経済云々しなくても、納得いく話だと思うのですが・・・?
聞きたいのは「そこから先」です。
現 実 に は
「その後、交流がまったくとだえてしまいました、おしまい」
とはならないんじゃないか、と僕には思えるのです。
ですので、すみませんやはり素人ではなく、経済学の素養のある方に、合理的な推測をしていただきたいのですが。
http://www.hatena.ne.jp/1115488951#
人力検索はてな - クイズです。 あるとき、東京知事が次のように宣言しました。 「今後は東日本では、円のかわりに東京円を、西日本では大阪円を利用するものとする。 そして交換レートは..
経済に詳しいわけではないですが、推測するなら。
交流が続くとすれば、お互いやはりその不都合に窮することになるのだから、「東京円=大阪円」となっていくのが通常だと思います。
ただ、それを無視して推測を押し進めるならば、まずこの理屈は成り立たないことになります。
1ドル100円と仮定したとき、西日本と東日本の両方でアメリカと取引を行うわけですから、どちらかがその価値を10分の1にしなければならなくなるわけです。
東京で1ドルを大阪円に変換しようとすれば、10円にしかならない。大阪で1ドルを東京円にしようとすれば、10円にしかならない。1ドルの価値が土地によって全く変わってしまう。更に続ければ、1ドルを東京で大阪円に替えて、更にその大阪円を東京円に替えようとすると、一円にしかならない。
何故こんな事態が発生するのかと言えば、発案そのものが最初から無理だからです。結果が問題なのではなく、結果に至る過程が問題というわけでもなく、質問自体が「有り得ない」ということでしょうかね。
cvcさん、ありがとうございます。
僕はそれぞれの通貨発行総額にもよりますが、
ヤミ市場が出来て、徐々に
「東京円=大阪円」に戻っていくのでは、と予想しているのですが、
これは経済学的にいちばん正しそうなのか、
ちょっと聞いてみたかったのですな。
あと少しだけ続けて聞いてみます。
東日本人が西日本で商売をした場合、
東日本の銀行に持ち込み、東京円と交換します。
西日本人が東日本で商売をした場合、
東日本の銀行で東京円を大阪円に交換はしません。
価値が下がるからです。
よって大阪円は次第に流通量が減ります。
西日本人の貯蓄はすべて東京円で行われることになり、
大阪円は東日本の銀行に貯まり続けるという現象が起こります。
両者にまったく交流がなくなってしまうというのは、
経済人である東日本の人と西日本の人の交流すらも無くなると
いうことを意味しますので、それはありえません。
(※URLはダミーです)
むむ?
この議論は「東」と「西」をそっくり入れ替えても
同様に成り立つように思えますが・・・・?
どちらか一方に吸収されるであろう、ってことですか?
これはいわゆる「不可逆的な為替レート」と呼ばれるものですね。海外為替相場に対して、東京円と大阪円のどちらが「強い」かによって、結果は変わってきます。
仮に西日本の経済力が海外為替市場で認められ、大阪円が強い、とした場合の西日本側の視点で考えてみましょう。
極端な大阪円高・東京円安なので、東日本への輸出高が減少し、東日本からの輸入高が増大します。投資家レベルでは「大阪円建てでの東日本への直接投資」が増大するでしょう。(参考:URL)
消費者レベルでは、東日本人と、東日本に旅行する西日本人との間で、ヤミ交換レートもあるでしょうが、物々交換による代理的貨幣レートが出来上がるでしょう。
この状況は、旧ソ連ルーブルと西側通貨との関係に似ています。旧ソ連体制下では、ソ連国内での公式レートは1ルーブル=230~240円ぐらいでしたが、西側での1ルーブルは紙同然の価値でした。ソ連への旅行者は、ソ連国内での買い物に必要な最低限の貨幣を公式レートで交換する一方で、例えば「マールボロ1箱=2ルーブルぐらい」のレートでタクシーに乗ることができました。
大阪円が強ければ、東日本は大阪円(=外貨)獲得に必死になるでしょう。「交換レートは・・・とする」と決めている時点で、それは「固定相場制」なので、ヤミレートは違法です。合法的に「徐々に戻る」ことはあり得ないでしょう。東日本は、旧東側国家のような経済体制となることでしょう。
専門用語ありがとうございます。「不可逆的な為替レート」ですね。
なんか専門家が出てきたっぽくてうれしいです。
すごく面白く読みました。感謝します。
Yahoo! JAPAN
韓国ウォンと北朝鮮ウォンの関係で考えるのはいかがでしょうか。
北朝鮮ウォンには公定と実勢の両レートがありますが、これは公定レートに比べて、国力・経済力、国家の信用など実勢面で劣ることによるものです。
日本という同じ経済圏にあって、東京円と大阪円の公定レートが異なることになれば、米ドルを基調とし、東京・大阪各々の地域力に依拠した実勢レートが別に発生すると思います。そうなれば、東京円と大阪円の間には直接的には「まったく交流がなくなってしまう」一方、実勢レートによる交流が行われるようになると思います。
おお、すんなり何の疑問もなく読んでしまいました。
つまり結局はドルを介して(そのうちドルを介する手間も省くようになって)、
実勢レートによる交流が行われるようになる、と思っていいですか?
現実社会において、為替レートは購買力平価により決定します。
①日本が鎖国状態であれば、東京円と大阪円の間に商売がなくなるでしょう。
②実際には外国との取引が発生するため、害かとの交換レートの問題が発生するわけです。こうなると東京円地域と大阪円地域は、外国からすると別の国と同様の扱いになります。
③よって為替レートは購買力平価により設定されるので1東京円=○大阪円というレートが日々変わる経済が成立します。要は、同一国内でも使用通貨により経済圏が異なる国と認識するようになるわけです。(ただし、この前提には他国も東西で通貨を分けるということに納得しないと、1国1通貨しか認められないでしょう。)
鎖国状態か否かで異なる、というのは面白かったです。
ただ仮に鎖国状態であっても、ヤミ市場はできるんじゃないか、とは思ったりします。
たとえばどちらの地域にも支店のある会社とか、
両地域をしょっちゅう往復する旅行者とかがいますからね。
鎖国でも、誰かが「外国」役を務めるのでは、とは思います。
闇市場は出来ないでしょう。
闇市場が成立する要件は、闇という禁止された行為を行うリスクを差引いても、利益が出るからです。しかし、この取引には一切利益が発生せず、闇取引をしたことによるリスクのみが発生する、という極めて割に合わない商売だからです。アングラは、儲かるから発生するのであって、儲からない商売ではアングラは成立しないのです。最低限リスクを上回る利益が出なければ。
すみません、すこし条件を付け加え忘れました。
この制度を破っても罰則はない(政府に強制力はない)ものとします。
つまり、紙幣の切り替えまではスムーズに進むとしますが、
レートの交換に関しては、強制力も罰則もありません。
銀行やATMでは確かに東京円・大阪円の交換所があり、そこでは問題に書いたとおりの交換を行いますが、
それを無視して、警察官の前である2人が、たとえば1対1で交換しようと、
逮捕されることはないと思ってください。
地域通貨全リスト/国内の地域通貨を網羅・リンクしています。
ネタ元の設定はおそらく固定相場で、地域通貨みたいなものを想定しているのではないでしょうか。地域通貨は地域内で消費してもらうため、他の通貨への交換をしないのは常套手段です。
問題がおかしいのは東京知事が西日本の通貨を決めてしまう事ですが、従来の日本円も日本政府が流通させながら、東京都内の取引に東京円という地域通貨を作るという設定であれば東京知事が他の地域通貨とのレートを勝手に決める事も出来るでしょう。
仮に政府が日本円を廃止して日本に2つの通貨を流通させ、知事が勝手に決める交換レートに著しい隔たりがあるようでは、信頼が乏しく日本の商店や民間企業は取引や給料をドル立てにするようになるのではないでしょうか。日本円は存続し、大阪と東京でそれぞれ地域通貨が流通するということであれば、手持ちの地域通貨はその地域で使うのは当然で、わざわざ地域でしか使えない不便な通貨に交換する人はいないでしょう。
回答ありがとうございました。
こちらの想定では、「今までの日本円は完全廃止」を考えていました。
たとえば○○年の1月1日からは、いままでの札は銀行に持って行って、
東日本は赤い札、西日本は青い札を貼らねばならず、
なにも貼っていない札は1日以降、直ちに無効となりくず同然となる、というような制度です。
ですから
[1] 政府が日本円を廃止して日本に2つの通貨を流通させ、知事が勝手に交換レート決める
[2] 銀行はそのレートに従った交換業務をしなければならない
[3] ただし国民は、新円への交換はしなければならないが、それ以降は好きな交換をしてかまわないし、知事の決めたレートを無視しても罰則はない
という想定です。
>レートの交換に関しては、強制力も罰則もありません。
とするならば、個人レベルでの通貨交換が自由に行なわれると共に、銀行においても実勢レートによる両替行為が行なわれるようになるでしょう。
また、現実世界において円だけではなくドル等が使える店舗があるように、実際の売買においても2つの通貨を使用できる店舗なども現れるようになり、最終的には、個人や企業にとって利便性の高い通貨が基軸通貨として使用されるようになるでしょう。
ただ、2つの通貨が共存するか淘汰されるかについては、実際に運用されてみなければ分かりませんが、少なくとも共存の段階を一度踏んだ上で、経済的に判断が下されるでしょう。
発想としては、ビデオテープの規格であるβとVHSのような関係、小国における自国通貨とドルとの関係などが想起されますが、「東京円」「大阪円」を現実世界の置き換えれば、電子マネーの「Suica(スイカ)」「Edy(エディ)」が通貨性・地域性において非常に近似しているように見受けられます。電子マネーの今後の動向がこの質問の回答になるかもしれませんね。
totem-hakutoさん、ありがとうございました。
みなさんの答えで満足しました。よいGWでした。
これで終了させていただきます。ありがとうございました。
専門用語ありがとうございます。「不可逆的な為替レート」ですね。
なんか専門家が出てきたっぽくてうれしいです。
すごく面白く読みました。感謝します。