一時休止から再開へこぎつけた「Yorimichi AIRDO」、会社を動かしたのは更新を望む周囲の声

株式会社AIRDOのオウンドメディア「Yorimichi AIRDO」の「はてなブログMedia」導入事例をご紹介します。

Yorimichi AIRDO」は、2016年12月に開設された株式会社AIRDOのオウンドメディアです。旅・航空・北海道を3つの柱に、「旅のよりみちをお手伝い」というコンセプトで、北海道の話題や観光情報の記事を配信しています。

昨年は記事の更新が休止されていた期間もありましたが、この8月より改めて定期的な更新が再開される運びとなりました。立ち上げの経緯や体制、記事の企画のポイントやこだわりについて伺った前回のインタビュー以降の変化や、中止から再開に至る経緯、今後の展開についてお話を伺いました。

新しいメディアが自治体との関係をつくるツールに

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左:株式会社AIRDO 営業部 部長 池田 透(いけだ・とおる)
_2005年に株式会社AIRDO(入社当時の社名は北海道国際航空株式会社)入社。以来、経営企画部門、運航乗務員部門等での勤務を経て、2019年4月から現職。

右:株式会社AIRDO 営業部 札幌販売推進グループ 山田 遥(やまだ・はるか)
_2015年入社。 羽田空港でグランドスタッフを経験後、現部署へ。WEBサイト・オウンドメディアの運営や宣伝広告事業全般を担当。“Yorimichi AIRDO”はリリース当初からの立ち上げメンバーとして携わり現在も主担当として従事している。


__「Yorimichi AIRDO」は開始以来ずっと、一般的な旅レポにとどまらない独自の視点で熱量の高い記事を制作していらっしゃいます。時間も手間もかかると思いますが、こうしたスタイルで運営されている理由を改めて教えてください。

山田さん 当初の目的としては、北海道の魅力を発信することで間接的にAIRDOの認知度を高めたいということが始まりでした。そのためには、すぐに書けるようなお手軽な記事ではなく、北海道に基盤を持つAIRDOだからこそ発信できる情報を提供していきたいと考えたんです。直接的に「北海道に来てください!AIRDOで来てください!」とアピールするよりも、読者の方に楽しんでいただける記事を通じて、ふんわりとAIRDOの魅力を発信することで、読者がいつかAIRDOのファンになってくれたら嬉しいなという思いを込めて企画を考えています。

__以前のインタビューでは、PVと公式サイトへの流入数を指標としつつも、運用しながら最適化していきたいとお話されていました。ブランディングやファン獲得を目的としたオウンドメディアの場合、KPIをどう設定するかは難しい課題になると思いますが、その後変化はありましたか?

山田さん PVは記事ごとの目標値を設定していますが、想定から外れる事の方が多くて(笑)自分の中ではあまりあてにしていません。指標の一つとしてチェックはしながら、以前と変わらずガチガチに決めてはいない状態です。記事単位で言えば、何年も前に掲載したものが引き続き月間何万PVといったボリュームで読んでいただけたりもするので、短期的な盛り上がりだけではなく、長期的に読まれることも大切だと思っています。

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http://yorimichi.airdo.jp/

__CVについてはいかがでしょうか。

山田さん あえて設けないようにしています。これについても、CVの数字から短期的な成果だけを見て、広告的に効果がないと評価されてしまうのはどうしても嫌なので、記事から予約ページにリンクするバナーのクリック数も取っていません。オウンドメディアは長期的な視点でファンを育成していくものなのだと、ずっと社内で言い続けていますので、短期的な数字だけで評価されないようにしています。

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__社内的には、短期的な成果を求める声もあったのでしょうか。

山田さん 社内では面白いと言ってくれる人もいましたが、それまで交通広告やWeb広告を中心に宣伝をしていたなか、オウンドメディアという全く違う形でお金を使うということについて、あまり理解されていない面はありました。

__効果の可視化が難しかったり結果が出るまでに長く時間がかかったりするため、同じようなお悩みを持つ企業様のお声は多く伺います。

山田さん その頃は「上層部に味方になってもらえる空気感を作ろう!」という考えから、会社のトップである当時の社長に記事に登場してもらって、然別湖の氷上露天風呂で温泉に浸かりながらインタビューする記事が作られたりもしました(笑)

yorimichi.airdo.jp

__一方、社外からの反響はいかがですか?はてなブックマークやソーシャルメディアでも話題になった旭山動物園の記事をはじめ、多くの方に読まれているものが多いですよね。

山田さん 読者の方からいただく記事への反響はもちろんですが、直接お会いしていただく反響も社外からは多くいただきました。AIRDOが就航している空港近隣の自治体や企業から「ウチのこれもぜひ載せてほしい」というようなご要望をたくさんいただくようになったんです。北海道には強いブランドを持つ観光地もたくさんありますが、一方でこれからPRしたい小さな街の小さな商品などについては、担当の方から打ち出し方がわからないというお声を聞くこともあるんです。

それまで私たちが持っていたメデイアは機内誌しかなかったので、PRでご活用いただくには予算的にもスケジュール的にもできることが限られていました。でも「Yorimichi AIRDO」なら柔軟に対応できますし、ずっとWeb上に残るので、自治体の方には「Webを使ったPRのやり方もあるのか」とすごく理解を示していただきました。開設当初はあまり念頭になかったことなのですが、振り返ってみると自治体との関係づくりのためにとても効果的なツールになったと感じています。

池田さん AIRDOがこんなことをしているのだという、認知度の向上には役立っていると思います。先ほども山田が申し上げた通り、あまり押し付け感がないので、いろんな情報を探しに見にきてくれてくださる方が多いんですね。それはすごく理想的な状態だと思っているので、あまり宣伝ぽくならないよう注意しています。

一時は休止も、社外からの声を受けて復活

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__2018年にいったん更新を休止されたということですが、当時どのような理由があったのでしょうか?

山田さん 先ほど社外から評価をいただいというお話をしましたが、そこに至るまでには、やはりかなりの時間がかかりました。社内では「効果がないのでは」という意見も根強くあって、それに対して私たちがきちんとした説得をすることができなかったんです。それに、担当者が私を含めて2名で、自治体・法人企業への営業やWebサイト編集の仕事も兼任していたため、しっかりとした記事を定期的に発信していくには、人手が不足していたこともありました。

__そこからどんな経緯で再開されることになったのでしょうか?

山田さん 私たちの場合は、外部からの声が無視できないほど大きくなったことが一番の理由だったと思います。休止している期間、営業先を訪問すると「最近どうして更新してないの?」と声をかけていただいたり、旅行会社では担当の方が記事を読んで実際にその日程表で北海道から神戸を訪れてみたと話してくださったり。そうした声をみんな記録して会社に報告するようにしていました。その頃、今の上司の池田が赴任してきたんです。池田は最初から「Yorimichi AIRDO」のことを理解してくれていたので、助け舟を出してくれるようお願いしました。それで社内で正式に承認してもらうことができたんです。

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__池田さんは当時、「Yorimichi AIRDO」をどう見ていらっしゃったのでしょうか?

池田さん 目的がブランディングやファン獲得である以上、短期的にPVやCVで説得するのは難しいだろうということは理解しましたし、何よりも数値化できない価値があると思いました。その時点で記事もストックされていましたから、このまま生かさない手はない。自治体から取り上げてほしいという要望も多くいただいていて、やらざるを得ない状況になったことも大きかったですね。

__「Yorimichi AIRDO」ファンの声が再開に大きく貢献したんですね。

山田さん 北海道に来てほしいという思いでしっかり作り続けてきた蓄積があったから、読んでくださっていた方々がそれを思い出してくれて、再開につながったのだと思います。自分自身が社内をうまく説得できない中、みなさんにも池田にも助けられた形です。

他からは出てこないものを見つけて発信したい

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__この8月から本格的に更新を再開されるということですが、今後はどのような形で制作を進めていく予定ですか?

山田さん 開設当初は月8本くらい制作していて、別の業務もこなしながらだったので本当にカツカツだったんです。再開にあたってはあまり決めすぎず、はてなさんに毎月1本記事制作をお願いするのと、他は自治体などからの依頼案件があった場合や、自分たちでもテーマを探しているのでやりたいものが見つかった時に制作していく予定です。

__「Yorimichi AIRDO」の広告商品としてタイアップ記事を自治体に積極的に展開していくといったご意向はあるのでしょうか。

山田さん いえ、そういうことは考えてないんです。宣伝が前面に出てしまうのは「Yorimichi AIRDO」らしくないですから。あくまでも私たちが「良い」と思ったことを自治体の方と一緒にやりましょう、というスタンスです。自治体からの依頼案件などの場合も、弊社で取材にかかった費用をご請求するだけで、記事の制作・掲載で利益を出すつもりはありません。マネタイズを強化する選択肢も存在していますが、それ以上に、北海道の良さを伝えて、結果としていつかAIRDOのファンが増えてくれたらいいという思いが一番強いです。

__再開後にコンテンツ制作をまたご一緒させていただけるのが楽しみです。

山田さん はてなさんにはメディアの立ち上げからお世話になっていて、コンセプトをきちんと理解してくださっていることが大きいんです。私たちがどういう思いで「Yorimichi AIRDO」を作ったのか、どういう記事を作りたいのか、説明しなくてもわかってくれますし、ネタ出しのクオリティも安心してお願いできるので。

__ありがとうございます。

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実は「安く大量に記事を制作しませんか?」と私たちに提案してくる企業さんからの売り込みがあったりもするのですが、それは私たちが「Yorimichi AIRDO」でやりたいことではないですし、目的が大きく異なると思っています。思いを共有できるかは重要ですよね。

__今後、力を入れていきたいポイントなどはありますでしょうか?

池田さん 北海道にはいろいろな観光素材があって様々な媒体で取り上げられていますが、できればよく目にするようなものではなく、他では出てこないようなものを見つけ出していきたいですね。AIRDOだからできる、というコンテンツを積極的に発信していきたいと思います。

__次の記事も楽しみですね。

山田さん 8月に掲載予定の記事(※)は部内ミーティングでも盛り上がった内容だったんですよ。ぜひ楽しみにしていただきたいと思います!

__ありがとうございました!

※ 山田さんがおっしゃっていた記事が本日8月22日に公開になりました。こちらもどうぞご覧ください。
yorimichi.airdo.jp

企画・制作:はてな
写真:赤司 聡
執筆:笠井 美史乃

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