読者目線の記事発信を続けることで事業目標の達成に近づく - 株式会社Flatt Security【はてなブログBusiness導入事例】

プロダクト開発者のための「セキュリティ診断」、セキュリティ技術を体系的に学べる開発者のための学習サービス「KENRO(ケンロー)」を提供する株式会社Flatt Securityに、運営する2つのオウンドメディアにおける情報発信の方針や運営方法についてお話をうかがいました。

プロダクト開発者のための「セキュリティ診断」、セキュリティ技術を体系的に学べる開発者のための学習サービス「KENRO(ケンロー)」を提供する株式会社Flatt Security。同社では、技術ブログ「Flatt Security Blog」とオウンドメディア「#FlattSecurityMagazine」を運営しています。

同社執行役員・CCO(チーフクリエイティブオフィサー) 豊田恵二郎さん、広報 寺山ひかりさんに、情報発信の方針や運営方法についてお話をうかがいました。

株式会社Flatt Security 執行役員 CCO 豊田 恵二郎氏
大学在学中よりデザイナーとして活動し、複数のプロダクトのWebマーケティング、UI/UXデザイン、プロダクト開発に携わる。2017年5月、CEOの井手と共にFlatt(現・Flatt Security)創業。創業以来、執行役員としてビジネスとクリエイティブの統括を行うほか、技術ブログの編集長を務める。

株式会社Flatt Security 広報 寺山 ひかり氏
行政、総合IT企業を経て、2022年10月、株式会社Flatt Securityに入社。コーポレート広報全般を担当。


目的とターゲットが全く異なる技術ブログとオウンドメディア

__運営されている技術ブログとオウンドメディアについて教えてください。

寺山さん 技術ブログ「Flatt Security Blog」では、セキュリティやWeb開発に関する技術情報を発信しています。

https://blog.flatt.tech

オウンドメディア「#FlattSecurityMagazine」では、エンジニアに限らず、ビジネス寄りの人や経営陣、マネジメント層、投資家などもターゲットとして組織づくりやマネジメントなどの技術以外の情報も発信しています。

https://flatt.tech/magazine

執行役員である豊田が技術広報を、私がコーポレート広報を担当するというイメージで分かれているので、紐づくオウンドメディアも「Flatt Security Blog」は豊田、「#FlattSecurityMagazine」は私が主担当になっています。

__2017年創業ということですが、これまでで情報発信のスタンスはどのように変わってきましたか?

豊田さん 2017年に東大の学部3年生の時に代表取締役CEOの井手と共に創業し、別の事業を経て、2019年に現在のサイバーセキュリティ事業を本格的に開始しました。その頃から技術ブログを公開しています。私以外のメンバーの大半がエンジニアでしたので、技術ブログを始めるのは自然な流れでした。明確な目的意識があったわけではなく「採用につながればいいな」くらいの気持ちで、手が空いた時に記事を書いていました。

これまでのセキュリティ関連サービスでは、ターゲットを企業の情報システム部門や、プロダクト開発チームに近いわけではないセキュリティ担当者にすることが一般的でした。しかし、プロダクトの開発や運用に関わるエンジニアの持つ役割は広がっており、情シスやセキュリティ担当者ではなくても、脆弱性管理やセキュリティ対策に関わるケースが増えています。それを踏まえて、私どもは、サービス・プロダクトのターゲットを「プロダクト開発に携わる開発者の方」としました。2021年末にそれを明文化し、社内で共通認識を持った時点で、技術ブログの目的も採用目的から、マーケティング目的に変更することにしました。

__技術ブログがコンテンツマーケティングの場に変わったということですね。

豊田さん はい、明確な転換点でした。それまでの間、リスティング広告をはじめ、いろいろなマーケティング施策を試してみたんです。ただ、思ったように成果がでなかったり、短期的な検証結果に振り回されて何にもコミットできなかったりという時期がありました。そこで、経営陣で話し合って、短期的な成果を出すことは難しいかもしれないが、長期的な成果のために、コンテンツマーケティングに力を入れていこうという方針になりました。定量的な根拠はなかったですが、弊社のサービスは開発者の方がターゲットですから、技術ブログによるコンテンツマーケティングは有効な施策だと考えたのです。

寺山さん 技術ブログでの発信を通じて、開発者の方に技術面での一定の信頼感を感じていただけたようで、お客様からもそういったお声をいただく場面も増えてきました。一方で、リーチできていない開発者以外の層に対してどうやって認知を獲得するかが新たな課題でした。

2022年10月に私が入社したタイミングで、全社の広報戦略や方針を整理するなかで、この課題解決のための施策に取り組むことになりました。

より多くの方にサービスや当社について知っていただくきっかけとして、開発者向けの技術情報とは切り口を変えた発信が必要があると考えました。そこで、Webマガジン型のオウンドメディアで、技術ブログより幅広い切り口のコンテンツをご紹介する「#FlattSecurityMagazine」を開始することになりました。


技術ブログでの確かな成果。信頼感がリード獲得、受注単価向上につながる

__「#FlattSecurityMagazine」の記事によると、技術ブログは年間25万PVに成長されていて、ターゲットからの認知・理解・共感に大きく貢献されているそうですね。先ほどのお話では事業的な成果も出ているとのことでしたが、どういった影響があったかお教えいただきたいです。

flatt.tech

豊田さん まず、リード獲得数が増えるという理想的な成果が出ています。しかもそれだけではなく、専門的な技術情報を発信しつづけていることで、当社の技術力を信頼していただいた結果、価格にも納得感を持っていただけることが増えました。当社は高い品質でサービスをご提供するため、競合他社のサービスに比べて金額が高くなることもありますが「それでもFlatt Securityさんにお願いしたい」と言っていただけるようになりました。

寺山さん セキュリティ診断を実施いただいたお客様に事例インタビューをお願いしていますが、選定の理由として「技術ブログを通して技術的な信頼感があった」と回答いただくことが多いです。お客様から「更新されるたびに読んでいるよ」と言っていただけることもあります。

豊田さん セキュリティの専門家を対象にした情報発信は、難易度が高くなりがちです。そうすると一部の方にしか読んでもらえません。そこで、技術ブログでは、セキュリティの専門家ではないエンジニアでも理解できるようなセキュリティ情報を発信しています。記事のレビューでも、セキュリティの前提知識がそれほどない方でもわかるように書けているかどうかをチェックして、情報が足りていなければ付け足すようにしています。現場で働く開発者に向けたセキュリティの情報発信は他社があまりやっていないことなので、とても意味のあることだと考えています。マーケティング目的ではあるものの、短期的なKPIにとらわれずに続けています。


オウンドメディアが企業との新しいコミュニケーションチャネルに

__技術ブログの企画ついては、先ほどの記事にも書かれていましたが、「#FlattSecurityMagazine」の企画や公開まではどのように行っていますか?

寺山さん 広報が中心になって、マーケティング担当、経営陣を含めて記事の企画を練っていきます。これまで技術ブログではリーチできなかった、CTOやマネジメント層、投資家など、記事ごとに設定したターゲットを意識して企画を考えています。

当社の経営陣は4人中、豊田を除く3人がエンジニアなので、彼らのコネクションをフル活用して、開発エンジニアの組織を持つ企業でCTOを務める人などにアプローチして、取材に協力していただいています。取材したあとは、私が原稿をまとめており、レビューは経営陣、エンジニアを含めて行い、公開しています。豊田はデザイナーでもあるので、デザインを任せています。記事の企画から公開までは、2週間〜1ヶ月くらいです。

取材先は、セキュリティ診断のお客様であることも多く、事業でのつながりを活かして依頼をしています。メディアを始めてわかったことは、オウンドメディアが企業の新しいコミュニケーションチャネルになりえるということです。受発注の関係にとどまらない、新たな関係性を構築できるのではないかという期待感があります。そのため、記事の末尾には、脚注でサービスや人物について紹介したり、取材先の取材記事などのリンクを入れるようにしています。弊社だけでなく、開発やセキュリティに関わるみんなで作っていくメディアにしていきたいと考えており、読んでくださる方にとって有用なコンテンツになるように、記事中では自社の宣伝色は極力出さないようにしています。

flatt.tech


__技術ブログを含めて、自社内で記事制作を行っていることがすごいですね。

豊田さん 書くことにポジティブなメンバーが多いのが当社の特長でもあります。仕事柄、文章を書く機会が多いことも影響しているかもしれません。セキュリティ診断というサービスは、非常に専門的な知識・技術を前提にしているので、提供する側、受ける側に情報の非対称性があります。そのため、課題を汲み取って診断内容の提案をしたり、終わってから報告書をまとめたりといったお客様とのコミュニケーションが特に重要になります。特に報告書では、読者の視点にたってわかりやすく情報を整理し、伝えることを目指しています。おかげさまで、報告書を褒められることが多く「他の診断サービスのレポートとは違う」と言っていただくことが多くあります。ブログの発信と報告書は、実は通じるところがあるのかなと思います。

報告書のサンプルは <こちら>

ナンバーワンのオウンドメディアを目指して、成長させたい

__「#FlattSecurityMagazine」では、記事の振り返りはどうしていますか?

寺山さん PV、UU、はてなブックマークの数などはチェックしていますが、記事によってターゲットが異なるので、一律には比較ができないのではないかと考えています。

豊田さん 数字は見てはいるものの、振り回されるのはよくないですし、まだ始めて数ヶ月なので短期間で成果がでるものではないと考えています。数字よりもTwitterやはてなブックマークのコメントなど定性的なもののほうを重視しています。


__「#FlattSecurityMagazine」のプラットフォームには、「はてなブログBusiness」をお使いいただいています。選定の理由は?

豊田さん まず、技術ブログで「はてなブログfor DevBlog」を使っていて、操作性がよいことを知っていたという理由があります。Markdownを使えるのも魅力ですね。

寺山さん コストがお手軽だったというのも理由のひとつです。技術ブログとの相互送客がしやすいこと、スマートニュースへのコンテンツ配信ができる点もメリットでした。

はてなブログBusiness / サブディレクトリオプション 料金表

__コーポレートサイトの配下におけるサブディレクトリオプションもご利用いただいています。

豊田さん コーポレートサイトのSEOが目的です。開設してから2ヶ月なので、効果が出るのはこれからだと思います。オウンドメディアの記事は、Google Discoverからの流入も多くあります。今は当社の全体的な集客はSNSや口コミがメインですが、特定のものに依存しないよう検索エンジン、Google Discoverのようなレコメンドと、多様な流入源を持ちたいですね。

__今後、どのようなことをやっていきたいですか?

寺山さん 技術ブログは、実務的な記事が多く、それが高評価につながっている一方、「知識がスゴすぎる」という声もあり、セキュリティエンジニアを身近に感じていただきづらいのかなという課題があります。オウンドメディアでは、社内外で働いているセキュリティエンジニアの人間味、考えなども伝えて、リアルな等身大の姿を知ってもらえるようにしたいですね。

豊田さん 経営陣として、事業上のゴールを達成することを目指していますが、技術ブログ、オウンドメディアを最高の状態にすることで、ゴールに近づくと考えています。会社がやりたいことを達成するためにも、両メディアとも日本、世界でナンバーワンを目指せるような良い記事を発信することで、他の目標がついてくると信じています。


__これからも記事を楽しみにしています。ありがとうございました。

企画・制作:はてな
執筆:深谷歩

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