オウンドメディアはコーポレートコミュニケーションのハブになる、オリックス「MOVE ON!」の運用で見えてきた可能性

オリックスグループのコーポレートサイト内に置かれたオウンドメディア「MOVE ON!」についてお話を伺いました。

コーポレートサイトを活用したコンテンツマーケティング

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オリックス株式会社 グループ広報部 宣伝チーム 大塚 孝裕(おおつか・こうすけ)
_電機メーカーにて、法人営業とデジタルコミュニケーションを担当。2018年にオリックス株式会社に入社。デジタルを活用したブランディング。インターナルコミュニケーションを推進。

__「MOVE ON!」はどんな目的で開設されたのでしょうか?

大塚さん オリックスグループの理解を獲得するメディアにしたいということが一番の目的です。オリックスというとプロ野球チームや生命保険、あるいはリースといった事業の印象をお持ちかもしれませんが、実際は非常に多岐にわたっています。そのため、その実態を正しく理解していただくにはどうすればいいか、というのがオリックスグループのコミュニケーションが抱える永遠のテーマと言ってもいいかもしれません。そこで、新聞やテレビなどのメディアでご紹介いただいたり、テレビなどで企業広告を見ていただいたりするのと前後して、弊社のウェブサイトでも私たちのことを知っていただき、できれば好きになっていただけるような関係づくりに取り組んでいます。

そこで、コーポレートサイトを活用してコンテンツマーケティングをすれば、より全体の活動に良い影響を与えられるのではないかと考えました。近年メディア環境が大きく変化していく中で、コーポレートコミュニケーションのあり方も変わっていかなくてはなりません。コーポレートサイトをいかに活用していくかも課題の一つだったのです。

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https://www.orix.co.jp/grp/move_on/

__オウンドメディアは独自ドメインやサブドメインで運用されるケースもありますが、「MOVE ON!」はコーポレートサイトの中に置かれていますね。

大塚さん 目的はオリックスグループの理解を獲得することなので、コンテンツと企業情報や事業情報は出来るだけ近い場所にあった方がいいと考えました。入り口としてオウンドメディアのコンテンツに触れた後、投資家情報のページで経営戦略を知ってもらうとか、事業のページで利用を検討してもらうといった効果を期待して、コーポレートサイトの中に埋め込むことはこの施策の大前提でした。

__コンテンツの種類が多いのは、コーポレートサイトにある事業の内容と関連させているからなんですね。

大塚さん 事業が多岐に及ぶため、扱うテーマが多いことは特徴のひとつです。コンテンツは、オリックスの事業内容に関連するニュースコンテンツと、オリックスグループの特徴を深掘りするようなオリジナルコンテンツが中心です。

掲載したコンテンツを見た方がコーポレートサイトにある関連したコンテンツを能動的に見ていただけるように企画しています。8月に配信した無人搬送車による物流のニュースコンテンツでは、ページ下部にオリックスの自動車関連事業・サービスへのリンクを掲載しています。ニュースコンテンツとオリジナルコンテンツも連動させており、無人搬送車やドローンという物流関係のニュースコンテンツに続いて、オリックスの物流事業に関するオリジナルコンテンツを配信しました。さらに、7月に扱った「サーキュラーエコノミー」というテーマを9月にニュースコンテンツを使ってもう一度取り上げるなど、コンテンツ間のつながりを意識したトライアルも行なっています。

主体的な情報発信でトリプルメディアの連携へ

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__オリジナルコンテンツの制作計画はどのように立てていらっしゃるのでしょうか?

大塚さん 「MOVE ON!」を担当しているのは私を含めて2名で、この2名で企画や制作管理、更新作業などを行なっています。そこに、ほかの広報部メンバーが担当する広告や報道とも一貫性を持って企業のメッセージを届けていくために、宣伝チーム長に監督をしてもらっています。

オリジナルコンテンツは年間12本を計画して、月1本ずつ掲載しています。例えば先の物流に関する記事ですと、これまでのコーポレートサイトにオリックスの物流施設事業を伝えるものがなかったので、ならばそれを扱いましょう、という形で今のサイトに足りないピースをはめ込んでいくように構成を企画しています。「MOVE ON!」のために制作した記事のほか、IRが発行している株主通信に掲載した記事からピックアップしたり、メディアに出稿したスポンサードコンテンツを転載することもあります。

2019年9月には「デザイン思考」をテーマにしたインタビューを掲載しましたが、これは以前デザイン思考に関するニュースコンテンツを掲載した際に、それを読んだ人がサイト内を多く回遊してくれたことが分かったので、デザイン思考というキーワードでオリックスに興味を持ってもらえるのではないかという仮説から企画したものです。

__「MOVE ON!」のコンテンツと会社全体の広報戦略のシナジーについて教えてください。注力テーマや時期、メッセージを合わせたりしているのでしょうか?

大塚さん 物流の記事がまさにその挑戦です。8月下旬から流れ始めたテレビCMが物流にフォーカスしたもので、それに合わせてコンテンツを用意しました。年間12本オリジナルコンテンツを計画しているとお話ししましたが、企業広告やPR活動、イベントなどと連動できるようにコンテンツを計画しています。

いわゆるトリプルメディアの使い分けということになりますが、ペイドメディアでは見せられる情報が限られてしまう、アーンドメディアではメディアの文脈で表現されてしまう面がどうしてもあります。オウンドメディアでオリックスグループの世界観を表現していくことで、補完することができると思っているので、連動させながらうまく使い分けをしていきたいですね。

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__オリックスさんのような大きな規模の企業では、広報・宣伝部署の方も多くいらっしゃると思いますが、どのように連携していらっしゃるのでしょうか?

大塚さん グループ広報部の中にはアーンドメディアを担当するチームとペイドメディアとオウンドメディアを担当するチームがあります。規模が大きい企業のコーポレートコミュニケーション活動では各メディアが連携しにくいという話を聞くこともありますが、弊社の場合は両者が同じ部署内であることに加え、オウンドメディアがアーンドメディアとペイドメディアの両方を繋ぐハブの役割を担えるようになってきました。CMのタイミングと報道のタイミングを見ながらオウンドメディアにコンテンツを出していくという、リレー走者のような形です。

__理想的な連携ですね。

大塚さん ただ、実際には私たちが人力で各施策をつないでいるという状態です。まだまだつなげきれていない施策もいっぱいあるんです。(笑)それでもオウンドメディアが「仕掛け」になっていることは確かで、私たちにとってオウンドメディアはこれまでのコーポレートコミュニケーションのあり方を変えていくだけのポテンシャルがあるのかもしれないと思って取り組んでいます。

変化するメディア環境に対応する技術とノウハウでCMSを選択

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__「MOVE ON!」のCMSとして「はてなブログMedia」を採用していただいたのは、どんなところがポイントでしたか?

大塚さん 先に申し上げたように「MOVE ON!」はコーポレートサイトの中のサブディレクトリという形で運用しています。はてなブログMediaのリバースプロキシ設定で指定されたディレクトリがコーポレートサイトの中にあるように見える環境を作っているんですね。CMS選定のポイントとなったひとつがこの設定を使えることでした。機能としてあるだけでなく、はてなさん側でその運用ノウハウをお持ちだったので、導入時には技術面で色々とサポートしていただきました。

もうひとつは、Webの技術が非常に激しく変化していく中、私たちはコンテンツを制作し、システム部門は社のITインフラを守ることが本来の仕事であり、どうしても技術の変化に対応するという専門性には欠ける部分があります。検索やソーシャルメディアやキュレーションメディアの仕様変更があれば、はてなさんの方でCMSに反映してすぐに提供してもらえることもポイントでした。機能も継続開発されていますし、ユーザビリティも良いので非常に助かっています。

__コーポレートサイトで使用していたCMSをそのまま「MOVE ON!」にも活用するアイデアは出たのでしょうか。

大塚さん コーポレートサイトは汎用のCMSをカスタマイズして使用しているため、新しいものを加えるには開発に時間と費用がかかってしまいます。「MOVE ON!」はできるだけ早く踏み出したかったので、はてなブログMediaを使うことでサイト構築にかかる時間を圧縮できたと思います。技術の変化に対応するという意味では、Google Discoverにもすぐに対応されました。キュレーションメディアやソーシャルメディアもこれからも変わり続けると思いますが、継続的にアップデートされる安心感があります。私たちはコンテンツ発信に集中できる環境だと思っています。

運用の最適解を探りながら、より幅広いコンテンツの活用へ
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__現在はどのようにKPIを設定していらっしゃいますか?

大塚さん まずコーポレートサイト全体のKPIとして、トラフィック獲得を目的に検索からの流入を増やすこと、ステークホルダーのファン化を目的にリピーターを増やすこと、事業理解獲得を目的に「法人のお客さま」「個人のお客さま」というエリアへのアクセスを増やすことを設定しています。

「MOVE ON!」については、どのコンテンツが多くクリックされ、どこから流入したのかという、アクセスの量と経路がひとつ。その後の滞在時間を見て、全PVのうち一定時間以上滞在してくれた人の割合がひとつ。そして、そのコンテンツを見た後にお客さまエリアへ飛んだのか、IRへ飛んだのか、といった行動の3つを指標にしています。1つ1つのコンテンツでこのトラフィック・エンゲージメント・アクションのデータを振り返りながらコンテンツを企画しています。

__これまでにどのような成果がありましたか?

大塚さん 「MOVE ON!」を始める前はコーポレートサイトへの流入はIRが非常に多く、そこで完結していたのですが、「MOVE ON!」が加わることで流入源が増え、サイト全体のトラフィックと回遊が上がりました。実はコーポレートサイトの1番の人気コンテンツはIRなんです。株主優待を様々なメディアでご紹介いただくこともあって、確認しに来られる方が多いんですね。これまでそうした株主や個人投資家との接点はIRのページしかありませんでした。その方々に企業理解を持ってもらえて、さらに、オリックスを好きになって長く株主でいていただけるようなジャーニーを描けたら理想的ですね。

__今後取り組んでいきたい課題はありますか?

大塚さん 運用に関してはまだまだ試行錯誤の段階で、ニュースコンテンツとオリジナルコンテンツのバランスや、掲載本数などについては最適解を見つけたいです。また、メディア環境の変化への対応としては、シェアードメディアとしてのソーシャルメディアやイベントとの連動も課題だと認識しています。

さらには、先ほどオウンドメディアがコーポレートコミュニケーションのハブになっているという話をしましたが、コーポレートコミュニケーションと事業のハブにもなれるのではないかと考えています。グループにはもちろんマーケティング部門やインサイドセールスの部門もあります。どちらもコンテンツの量と質には課題を持っていて、商品・サービスを詳しく解説してコンバージョンするコンテンツと併せて、幅広いお客さまと接点をつくりエンゲージするためのナーチャリングコンテンツも必要とされています。そこには、私たちのコンテンツを活用してもらえるようになりたいです。

__ありがとうございました!

企画・制作:はてな
写真:赤司 聡
執筆:笠井 美史乃

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