※「はてなブログMedia」は2025年2月にブランド刷新を行い「はてなCMS」として提供をしております。 本記事ではインタビュー当時の旧サービス名称となる 「はてなブログMedia」記載のままの掲載としております。
イラストコミュニケーションサービス「pixiv」などを提供するピクシブ株式会社は2020年、運用性の改善のためCMSのリプレースを行う目的で、コーポレートサイトをリニューアルしました。そこに選ばれたのが「はてなブログMedia」でした。

_2013年11月 ピクシブ株式会社にアドテクエンジニアとして入社。広告配信システムのフルスクラッチリプレースの他、マネージャとしてエンジニア採用、評価、育成、組織作りにと幅広くコミットし、VP of Engieering、関連会社CTOなどを務めてきた。
現在は、会社全体としてのシステム化を推し進めて、技術の力でプロダクティビティと複雑性の高い事業実現を支えることをメインミッションとして活動している。またピクシブのものづくりや、ピクシブで働く雰囲気のわかるオウンドメディア「pixiv inside」も担当している。
_2012年4月に新卒としてピクシブ株式会社に入社。現在はコーポレート本部に所属し、新卒の採用活動のほか、広報や総務なども担当している。
自由度より、コンテンツに集中できる環境を選択
__今回のサイトリニューアルに至った経緯について教えてください。
村松さん リニューアル前のサイトの運用が技術的に難しく、限界を感じていたことが理由です。CMSにWordPressを使っていたのですが、プラグインのアップデートや動作の不具合など、何か起きるたびに知っていそうなエンジニアを頼って解決する状態だったんです。それが頻繁に起きていたので、何とか自分で解決できる環境にしたいと考えていました。
小芝さん 以前のサイトはWeb制作会社さんに依頼して立ち上げたもので、納品された後は自社で管理していました。しかし中身を全て把握していたわけではなく、社内にWordPressに精通している人も少なかったため、この部分をカスタマイズするには? 表示されなくなってしまったのはなぜ? など、困りごとが頻発し解決にも時間がかかる状態でした。そこで、よりアクティブに運用していくために、マネージドサービスを採用してコンテンツに集中できる形にした方が良いだろうと判断しました
__リニューアルにあたり、他の方法も検討されたのでしょうか?
村松さん はい。1から自社でつくる方法や、新しく制作会社に依頼してつくる方法なども検討はしたのですが、予算の都合だったり、私たちがそこにどれくらい時間を割く必要があるか、などの点で目的に合わない部分がありました。
小芝さん ヘッドレスCMSの「Contentful」を使う方法も検討しました。これは自社で開発するのはフロントエンド部分だけで済み、CMS管理画面はSaaSで提供される形なので、負担を減らしながら自由度の高い設計ができるのですが、それでも結局ある程度エンジニアの手がかかり続けることがネックになると考えました。
村松さん 検討するなかで、小芝からピクシブについての情報を発信している「pixiv inside」で導入済みだった「はてなブログMedia」が使いやすいと情報をもらい、はてなさんに相談に乗ってもらうことにしたんです。オプションでデザインもほぼお任せできるなど、手厚く対応してもらえる部分が多かったことが、最終的な決め手になりました。
小芝さん 社内にはエンジニアもWebデザイナーもいるのですが、やはり事業であるサービス開発の方に注力してもらいたいですからね。
(参考:pixiv insideでの導入についてはこちらの記事をご覧ください)
www.hatena.ne.jp
コーポレートサイトにフィットした「ニュース+固定ページ」の仕組み
__以前のサイトから構成・デザインをほぼ引き継ぎながら、CMSをそっくり入れ替える形になったわけですが、当初の目的だった運用面の改善には成果はありましたか?
村松さん とにかくわかりやすくて、管理がとても楽になりました。これまでちょっとしたデザイン変更や文言の修正にもエンジニアの手を借りていましたが、今は自分ですぐ対応出来ますし、問題が起こった際の解決もスムーズになりました。
それと、下書きのプレビューを共有するURLが取得できる機能は非常にありがたいですね。以前はその機能がなく、バックアップのサイトでスクリーンショットを撮って、社内チェックに回していました。今は下書きのURLを渡すだけでいいのでとても楽です。
また、「固定ページ機能」(トップページや記事ページとは異なるさまざまな用途のページを個別に作成できる機能)もよく使わせてもらっています。これまでは独立したページを制作するにあたってはかなりの手間がかかっていたのですが、これなら自分一人で新規に制作できるので、とてもありがたいです。
__どのようなケースでお役立ていただいているのでしょうか?
村松さん 多いのはインターンシップの告知などですね。年に数回実施するのに合わせて毎回の専用ページを作成し、公開しています。管理画面から簡単に静的なページが作れるので、デザイナーやエンジニアの工数を借りずに人事部だけで完結できるのがいいですね。スケジュール的にも大変助かっています。
小芝さん 固定URLで公開したい静的なコンテンツが必要になるケースって結構あるんですよね。その場合に固定ページ機能が活用できることを運用を始めてからあらためて実感しました。コーポレートサイトの枠組みは「固定ページ+ニュース」という形なので、記事ページと固定ページの両方が作成できる「はてなブログMedia」はフィットします。
共感とカルチャー理解に活かす、オウンドメディアとのシナジー
__コーポレートサイトの方針や活用について教えてください。
村松さん 採用関連の情報提供がメインです。もちろん、プレスリリースなどで事業の情報も発信していますが、同時に応募者の方に企業について理解していただく目的が大きいと思っています。そのために、社員のインタビューや社風を紹介するコンテンツをトップページでも大きく扱っています。ここは旧サイトではランダムに表示されていましたが、積極的に伝えたい記事を大きく見せられるよう、デザインの際にお願いして一部を固定表示できる仕組みに変えてもらいました。
__採用活動で意識されていることはありますか?
村松さん 採用にあたっては弊社の企業理念である「創作活動がもっと楽しくなる場所を創る」に共感できる人であることを大事にしています。そのため、コーポレートサイトでもなるべくそれが伝わるよう意識していますし、また共感できる人に刺さるような表現をしていきたいと思っています。そういう方は「pixiv inside」もよく見てくれるようなので、いいシナジーが生まれているのではないかと思います。
__コーポレートサイトと「pixiv inside」は、どのように使い分けていらっしゃるのですか?
村松さん コーポレートサイトに関しては、仕事の内容、社内の雰囲気や環境、企業としての可能性をお伝えすることをメインに考えています。社員のインタビューについても、個人というよりその職種の担当者として出てもらっている面が強いです。
小芝さん 逆に"個"に注目しているのが「pixiv inside」です。ほとんどが書き手の個人名による記事で、小さな話題でも発信していますし、トンマナについても多少の揺れは許容して、書くハードルを下げています。社内チェックも基本的には現場だけで完結するので、記事更新までのスピード感が違うという点も特徴です。どちらもはてなブログMediaを使っていますが、あえてデザインを統一していないのは、別物であることを示す意図もあります。
__デザインに関しては、当初は全面的に刷新する案もあったとお聞きしましたが、現在の形になったのはなぜだったのでしょうか?
村松さん 移行にあたり全面的なリニューアルも検討したのですが、今回は今までのデザインを踏襲した形で構築してほしいとはてなさんにお願いしました。
理由としては、先にお話した予算や社内リソースのことに加え、社のブランドデザインについても整えていこうという動きが出始めていたためです。そちらが整い次第、改めてデザインを含めリニューアルしよう、という結論になりました。まだ時期は未定なのですが、今後にご期待ください(笑)。
__ありがとうございました。
執筆:笠井 美史乃
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