導入事例: 読者が共感できるかどうかをメディア運営の基軸に - 株式会社アイデム 

株式会社アイデムの「りっすん」は、"はたらく気分"を転換させていく女性向けワークスタイルメディアとして2016年8月よりスタートしました。メディアの紹介ページに「新しい風を取り入れて深呼吸するように、みんなの声を聞き、自分に取り入れて"気分転換"できるような仕事・生き方のさまざまな記事を発信していきます」と書かれているとおり、インタビューや寄稿を中心に、幅広い記事が掲載されています。

今回は「りっすん」担当者の藁品さんに、りっすんが目指すことやコンテンツ制作体制、これからやっていきたいことについてお話を伺いました。

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株式会社アイデム 東日本事業本部 プロモーション担当 藁品 優子
2005年アイデムに新卒入社。求人広告の制作部門、求人フリーペーパーの設置・配送部門を経て、2017年よりコンテンツ担当として『はたらく気分を転換させる深呼吸マガジンりっすん』の運営に係る。

メディア経験無しで担当に抜擢された理由

__りっすんは開設から約5年ですが、目的やコンテンツなどは、その間に変化しましたか?

藁品さん 求人サイト「イーアイデム」の女性の認知を高めることを目的に始めました。当初は仕事や働き方にフォーカスした記事が多かったのですが、徐々に仕事をする上での困難やそれとどう折り合いをつけていくか、プライベートを含めてどんな生き方をするか、といったテーマにシフトしています。読者の期待やりっすんの雰囲気を模索する中で、そのように変わってきました。

りっすんは20代後半から40代前半の働く女性がターゲットです。生き方や働き方について漠然としたつらさや悩みを抱えている方が、りっすんの記事を読むことで共感したり、課題や苦しさに気づいたり俯瞰できるようになって、仕事と人生の優先順位の見直しや働き方を見直すきっかけになれば、という思いで運営しています。

__藁品さんは、前任者から引き継ぎ、途中から担当になったそうですが、これまでに編集やメディア運営のご経験はなかったと伺いました。

藁品さん はい、りっすんを始め、2017年にコンテンツの担当になり、初めてメディア運営に携わることになりました。

__それまでのご担当はどんなことをされてらっしゃいましたか?

新卒でアイデムに入社して、求人広告のデザインを担当していました。その後の異動ではフリーペーパーの配送部門にいたので、編集やメディア運営には関わる機会はないままでしたが、前任からの推薦でりっすんを担当することになったんです。

__推薦の理由はどういったものだったのでしょうか?

藁品さん 私がりっすんのファンで、当時の担当者に一方的に記事の感想を送りつけていたからかなぁと思っています。「この人は記事をしっかり読んでいるので、今後もりっすんを守ってくれるだろう」と感じてもらえたのでしょうか。当時の私は「PV」も「KPI」の意味も知りませんでしたので、そんな私を担当にするのは勇気ある人選ですよね。

記事1本1本に丁寧なフィードバック。読んだ直後の感想は振り返りにもなる

__運用については、立ち上げ時からはてなが担当していますが、記事づくりの流れなどはどのように行っていますか?

藁品さん はてなさんから、記事案と執筆者の提案をいただいて、どういった記事を書いていけるか一緒に考え、スケジュールを設定していきます。私の方から、企画のアイデアやライター・インタビュイーの候補を出すこともよくあります。はてなさんにとって私はクライアントになるわけなので、そうした意見が「押し付け」にならないように、はてなさんには「あくまでもひとつのアイデアとして扱ってください」と伝えています。フラットに判断してもらっているので、実際にボツになることも多いですね。

その後、企画案をいただいて、内容をフィードバックします。企画案の段階で、かなり細かく記事の構成を設定していただくので、私からも「この部分を強調してほしい」「ここを突き詰めてほしい」といった細かい依頼をしています。そして、ライターさんに依頼した初稿をはてなさんからいただいたら、そこでまたフィードバックするという流れです。

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仕事や生き方についてのインタビュー記事が人気

__はてなのメンバーから、藁品さんのフィードバックはとても丁寧だと聞いています。フィードバックする上で、意識していることはありますか?

藁品さん 私自身が読者のターゲット層に入りますから、いち読者として思ったことを本音で言うようにしています。りっすんは、読んだ人の「共感」や「気づき」を大事にしているので、その点については自分も意識して、初稿の感想をしっかり伝えるよう心掛けてきました。

しっかりと感想を伝えるのは、最初に記事を読んだ者の責任でもありますし、書いていただいた人への敬意、感謝でもあります。読んだ直後の感じたままを文章にしているので、誤字脱字もあるし、文もこなれていないのですが、自分が読んで何を感じたのかという記録にもなっていますし、後々、振り返った時に、その感想が履歴として役立つとも思っています。

__はてなで、ライターさんにも藁品さんのフィードバックを共有しているそうですが、ライターさんもとても喜んでくださると聞いています。

藁品さん 私は他のメディアも担当していて、同様に感想をお伝えするようにしていますが、そこでも驚かれますね。担当者として、記事をしっかり読んでいるというアピールでもあります。


スムーズな運営の秘訣は、メディアコンセプト、ペルソナ、カスタマージャーニーの共有にあり

__外部パートナーとのメディア運営の場合、企画や記事の方向性にズレが生じるなどの課題があると伺います。はてなとのやり取りの中で、そうした調整に苦労されたりしたことはありますか?

藁品さん ないですね。同じメンバーに長期間サポートしてもらっているので、認識が揃っていると感じますし、運営していくうちにPV等に惑わされて主軸をぶらさないように、はてなさんとメディアコンセプト、カスタマージャーニー、ペルソナをしっかりまとめて整理しています。細かいところまで突き詰めたものを共通認識として持っているので、日々のやりとりの中で方向性の違いに悩んだり、調整に苦労することはありません。

担当し始めたころはりっすんのイメージが「共感」「一歩踏み出す後押し」とふんわりしていたので、はてなさんと一緒に整理しなおして改めて言語化することで、私としてもコンセプトや目的がはっきりしましたし、はてなさんともより具体的なイメージを持ってりっすんを運営できているんじゃないかと思っています。

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はてなブックマークに集まる読者からの反響

__はてなとの打ち合わせはどのくらいの頻度で行っていますか?

藁品さん 企画の決定や振り返りを行うMTGは隔月に1回です。日々の細かいやり取りや記事へのフィードバックは適宜チャットツールで、会議では振り返りを中心に行っています。はてなさんの場合、記事の1本1本の振り返りがものすごく丁寧で、読者からどんな反応があったのか、はてなブックマークやTwitterでのコメントを抽出してまとめてくれるので、大いに参考になります。

社内での担当者は私一人なので、はてなのみなさんが、味方になってくれているので心強いです。企画も振り返りも、細かくてまめ、真面目という印象です。

__KPI設計について教えてください。

藁品さん りっすんでは、細かい数値はあまり追っていません。PVをKPIにすると、どうしてもPV狙いの記事になってしまうからです。全体的に月間で上がっているか、下がっているかという数値は見ますが、最低X万PVといった細かい数値の目標は立てていません。

ただ、記事を読んでどう感じていただけたかが大切ですので、はてなブックマークやTwitterのコメントは重視しています。内容に共感した上で自身の生き方や働き方を振り返るようなコメントがついているか、また記事のテーマに対する自分の考えをコメントしているかなどを自分でもチェックしていますね。公開から1日経つとコメントの傾向が変わってくるなど動向を把握するよう心がけています。

また最近では、初速はPVもコメントの伸びもいまいちだけど、じわじわと時間をかけて読まれてきて、それが長く続く記事も増えてきています。特に女性向けのメディアということで、妊娠出産や子育てといった一大イベントと仕事との両立に悩んだ記事はその傾向にあるので、初期の数値だけに囚われず、広く読者に必要とされる記事、時に触れて読み返したくなる記事、というのも意識していきたいと思っています。


オウンドメディアは事業貢献よりも、CSRとしての価値が高い

__先ほどKPIについてのお話もありましたが、予算を使ってオウンドメディアを継続するにあたって、社内への報告や合意形成で工夫されていることがあれば教えてください。

藁品さん 担当として上長に数値を含めた報告を定期的に行っていますが、数値だけを見て判断されることがないように、SNSに上がっていた感想や具体的なエピソード、どのように話題が広がっていったかなど数値以外の部分を必ず報告するようにしています。

りっすんはあくまでも読者ファースト。読者に寄り添って、そっとその背中を押せるメディアでありたいので、一定期間の数値より「具体的にどのように読者の心の内や行動に変化をもたらせたか」を共有するようにしています。


__オウンドメディアの意義として、ブランド認知度、好意度の醸成などがありますが数値化しにくいため、悩んでいるオウンドメディアの担当者も多いと思います。そのあたりについて社内で定性的、定量的に説明することはありますか?

藁品さん 認知度、好意度などは調査が必要ですが、そういったデータは現状計測できていません。SNSのコメントなど、記事を読んでくださった方の心にどう響いているのかをまとめて可視化することで、オウンドメディアの価値をわかりやすく示すようにしています。

求人サイトの事業者として、働き方の多様性への気付きや生き方のヒントにつながるような活動が必要だと思っているので、オウンドメディアの目的は事業の宣伝としてスタートし、その一方でCSRにもなりえるという認識です。そのため数値化できない記事への反応も「効果」として重視されますので、丁寧にまとめて共有することを意識しています。


読者のフィードバックを得られるような機会を用意したい

__集客施策はどのようにしていますか?

藁品さん コメントやソーシャル拡散が重要なので、はてなブックマークのネイティブ広告に出稿していますが、それ以外の広告は配信していません。Twitterの公式アカウントでツイートして、記事を書いてくださったライターさんや読者のTweetがあれば、リツイートしています。著者やインタビューを受けた方が発信してくれると、そこからフォロワーさんが記事を見に来てくれることがあるので、そこから拡散していくこともあります。

公開後は、はてなブックマークやSNS経由の流入が多いですが、はてなさんが記事のSEOも考えて企画を練ってくれることもあり、長期的なオーガニックの検索流入ができている記事もあります。

今は「わたしがやめたこと」というシリーズで、いろいろな方に記事を書いてもらっていますが、シリーズがあると続けて読んでくれる方が多いので、集客ではないですが、回遊の施策にはなっていると思います。

また、最近は、Google Discover(Googleが閲覧履歴からおすすめ記事を表示するサービス)経由の流入が増えているのがうれしいです。はてなさんが流入が見込めそうなキーワードやテーマを意識して記事を作ってくださることで、Google Discoverに掲載される割合や、そこからの流入数も上がってきています。

__今後はどういったことをしていきたいですか?

藁品さん 読者が記事を読んでどう思ったか、共感できたかは引き続き大事にしていきたいです。

最近は実施できていないのですが、「はてなブログ」でお題を提供して、ブログを書いてもらうコンテストがあるので、それをまた開催したいと思っています。

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ブログコンテスト(https://www.e-aidem.com/ch/listen/entry/listen_blogcontest2019result

また、りっすんの記事に読者の方からより多くのフィードバックをいただきたいので、記事を読んでどう思ったか、考えや価値観が変わるきっかけになったかなど、感想を言い合えるような場を作りたいですね。「わたしがやめたこと」では、共感や感想が多く、読者の方のやめたことも投稿されるので、まとめて紹介できないかと考えています。以前、オフラインのイベントを開催したこともありますが、オンラインイベントができないかなとも考えています。

__今後の展開も楽しみです。ありがとうございました。

企画・制作:はてな
執筆:深谷歩

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